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【特集】神戸・東須磨小 教員間暴行

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有識者会議座長 神戸大大学院准教授・山下晃一さん
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有識者会議座長 神戸大大学院准教授・山下晃一さん

 「神戸の教育」をどう見ますか-。市長部局出身の教育長、強い結束を誇った校長会のOB、有識者として関わる研究者に聞いた。(井上 駿)

■市教委改革、社会の流れを見て

 -神戸の教育、何が特徴でしょう。

 「神戸大に着任した約10年前、校長の研修で、新しい学習指導要領の先取りみたいな講演をしたことがありました。とにかく反応が薄かった。前任地の和歌山で、校長らが何かヒントをつかもうと必死だったのと対照的。神戸では自分たちの教育に絶対的な自信を持つ一方、潮流の変化にあまり興味がないように見えました」

 「違う意味で驚いたこともありました。平成は、教育への信頼が失われ、先生がやりがいを感じづらくなった時代。学校現場はどこも悩んでいた。でも、神戸の教員は仲間意識が高く、生き生きとしている。神戸の教育は、独自の進化を遂げる『ガラパゴス化』してきたと言えます」

 -なぜ、そうなった?

 「政令市単独の教育委員会なので、自己完結している。外部評価の仕組みもほとんどなく、保護者や地域との連携も他都市に比べて希薄。自分たちの教育を客観視する機会がなかったんです」

 -市教委が打ち出した改革の印象は。

 「現場に裁量が委ねられていた研修や人事について、市教委は関わりを強めようとしています。教育委員会の関与を弱め、学校を主体とする全国のトレンドとは逆行していますよね。時代遅れなのか、トップランナーなのか、判断に迷います」

 「ガラパゴス化をアップデート(更新)しないといけない。もっと世間に開いて理解してもらいながら、ニーズをつかむ取り組みが必要です。先生も目の前の子どもだけでなく、その先にいる保護者や地域、社会を見据えてほしい」

 -新型コロナウイルスで教育は変わりますか?

 「約3カ月間休校になり、学校が担ってきた社会的な役割と、脆弱(ぜいじゃく)性の双方が明らかになりました。これからの学校運営は地域や保護者の力をますます借りないといけない。本当の意味で『チーム学校』を立ち上げる機会にしてほしい」

 -神戸の教育再生には何が必要ですか。

 「全体を見渡せる人材の育成です。不祥事が起こった時の市教委の対応は場当たり的。教員の質は高いですが、自分の職責を果たすことで精いっぱい。東須磨小の問題は、学校が抱える闇の部分を浮き彫りにしました。立て直しができれば、国の教育をリードしていく可能性があると思います」

【やました・こういち】神戸大大学院人間発達環境学研究科准教授。愛媛県出身。京都大教育学部、同大学院修了。専門は教育行政学で、日米の教育制度の比較などに取り組む。神戸市教委が2018年に設置した「組織風土改革のための有識者会議」で座長を務めた。49歳。

2020/6/4

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