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【特集】神戸・東須磨小 教員間暴行

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 集まったメディアを前に、久元喜造神戸市長はまくし立てた。

 2019年10月10日、神戸市役所。市立東須磨小学校の教員間暴力・暴行問題が発覚して初めての市長会見だった。

 「言語道断でおぞましい事件。市の教育現場、教育委員会の組織風土の改革が必須だ」。言葉の切っ先は限りなく鋭かった。

 市長は、こんな言い回しもした。「この事件に対し、市長には基本的に権限はない」。そう繰り返しつつ、「市長が持っている権限をしっかり活用して対応する」。謎かけのような言葉に、問題の根っこがある。

     ◆

 そもそも、教育委員会とは何か。日ごろよく見聞きするが、その仕組みや市長(首長)との関係性は十分知られていない。

 教育委員会は、教育長と原則4人の教育委員(神戸市は5人)で成り立つ。教育長は役所の幹部か、教職経験者がなることが多い。神戸市の長田淳教育長は、市の人事課長や市長室長を歴任した行政職員出身だ。

 一方、教育委員はさまざまな仕事をしている人が任命される。保護者、会社役員、医師、作家…。教育行政の“素人”が非常勤で会議などに出席する。任期は4年ある。

 この仕組みは戦後すぐ、1948年にスタート。「教育は政治的に中立であるべき」との考え方から、首長から独立して教育行政を担ってきた。

 しかし、時代の流れの中で、位置付けは微妙に変わっていく。2014年に法律が改正。教育委員の代表の教育委員長と、教育長を一本化した新たな「教育長」を置き、責任の所在をよりはっきりさせた。

 さらに、教育委員会と首長が教育課題を話し合う「総合教育会議」を設置。当時、挙がった心配事の一つは「首長が恣意(しい)的な介入をするのではないか」だった。

 教育委員会の事務局には、首長部局から異動してきた行政職員と、教員出身者が席を並べる。教育委員、教員出身者、行政職員。教育委員会は本来、一般市民が入った混成チームで、閉鎖性を排除する仕組みのはずだった。

     ◆

 昨年10月17日、神戸市役所。公開で行われた総合教育会議。長田教育長が、外部登用や人事制度の見直しについて説明した。久元市長が切り込む。

 「教育長は『改善を行う』と言ったが、それでは困るねえ。『早急にスピード感を持って改革を行う』としたらどうか」

 「まったく異存はございません」。長田教育長は即答した。

 神戸市の教職員は非常勤など含め約1万人。束ねるトップは教育長。市長ではない。しかし、危機に直面し、関係性は変わりつつある。(取材班)

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2020/2/4

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