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【特集】神戸・東須磨小 教員間暴行

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 久元喜造神戸市長が宣言したのは、ツイッターの投稿だった。

 「教育の権限がない市長が、事態打開のため何ができるのか」「近日中に必要な対応をするつもりです」

 2019年10月20日。市立東須磨小学校の教員間暴力・暴行問題が発覚して、2週間余りがたっていた。この間、同校や市役所に電話やメールが殺到。同27日までに市役所分だけで3千件近くに上った。

 「加害教員に有給休暇を取らせるな」。多くはそうした抗議だった。

 市教育委員会としても、加害教員4人を「児童の前には立たせられない」と判断していた。しかし、教員を教壇から下ろして、かつ給与を払わないやり方は簡単には見当たらない。

 免職や停職など懲戒処分を下すには、「何をしたか」を詳しく調べなければならない。判明分だけで懲戒を科せば、後から重大な行為が分かっても原則、処分を変えられない。結局、10月初めから4人を有給で休ませた。そこに批判が集中していた。

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 公務員の身分は、法律で厳格に保障されている。政治介入を排し、行政の継続性や中立性を保つためだ。業績で給料が大きく変わることはなく、解雇されることもほとんどない。

 例外的にあるのが、懲戒処分と分限(ぶんげん)処分。懲戒は、職務上の違反や犯罪など「やってはいけないこと」に対する処分で、免職や停職、減給などがある。

 もう一つの分限が今回、加害教員4人に下した処分だ。「身分保障の限界」を意味する分限は本来、さまざまな理由で「仕事ができなくなる状態」に対して行われる。長期療養が必要だったり、起訴されたりした場合が多い。青年海外協力隊への参加や研究で休職するときにも当てはまる。

 神戸市はここに新たなケースを加えた。重大な違法行為を犯し、起訴される恐れがあって、公務がスムーズに進まない-。そうした状況になれば、休職させ、無給にすることができるようにした。

 市は10月28日に市会に条例改正案を提案、翌29日にスピード成立。31日、4人の給与は差し止められた。

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 今年に入って、久元市長はある会合で「朝4時に起きて条文を書いた。市長の権限を適切に行使することが大事だ」と胸を張った。ネット上では「英断」と評価する投稿が飛び交った。

 一方、法学者からは「加害教員を念頭に置いた狙い撃ち。立法のルールでしてはいけないことをすべてしている」と批判が上がった。加害教員のうち2人は処分取り消しを求め、市人事委員会に審査請求した。

 ある議員は振り返る。

 「つたない条例で、さすがにまずいと思った。だが、世論の反発が強すぎて、応じざるを得なかった」(取材班)

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2020/2/5

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