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【特集】神戸・東須磨小 教員間暴行

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 神戸市立東須磨小学校の教員間暴行・暴言問題で、神戸地検は加害者の元教諭ら4人を、犯罪事実を認めつつも刑事責任を問わない起訴猶予処分とした。「いじめはだめだ」と教える教員が、後輩をいじめている-。そんな驚くべき事案の発覚から半年。2月の神戸市教育委員会による懲戒処分に続き、刑事処分も区切りを迎えたが、教育、学校再生の道のりはこれからようやく本格化する。

■発覚半年、刑事処分に区切り

 療養中の男性被害教諭(25)の代理人弁護士は「社会的制裁などが考慮された結果と聞いている。特に意見はない」とコメント。市教委によると、男性教諭は近く教壇に戻ることを目指しており、支援しているという。

 保護者の受け止めは複雑だ。「裁判を通じて分かることがあったかもしれない。その機会がなくなり残念」と、加害教諭の1人が息子の担任だったという母親は語る。被害教諭が起訴猶予処分を受け入れているため「仕方ない」としつつ、4人とも法廷で裁かれない今回の判断を「外部調査委員会の調査報告書で事実が全て明らかになったか、疑問は拭いきれない。このまま市教委が再発防止に取り組むのには違和感が残る」と戸惑う。

 神戸では同問題のほか、2016年に同市垂水区の女子中学生が自殺し、市教委の担当者がいじめを証言したメモを隠蔽(いんぺい)した問題など不祥事が相次ぐ。同市教委は20年度から校長OBや弁護士、専門家らでつくる「監理室」を設け、学校現場の課題解決をサポートし、東須磨小の再生にも力を入れていくとする。

 一方、全学校園の教職員を対象に始めたハラスメント調査は重大事案の調査が進んでおり、新年度にまとまる。同市教委の幹部は「神戸の教育に対する信頼は地に落ちた。二度とこのような問題を起こさないために、学校現場と一丸となってやっていくしかない」と強調した。(まとめ・井上 駿)

■学校改革自浄に委ねられた

【渡辺修・甲南大学法科大学院教授(刑事訴訟法)の話】(神戸市教育委員会による)懲戒処分では4人の処分に軽重があった。しかし4人が暴行・強要などを共謀して行った以上、刑事責任の大小はさほどなく、いずれも起訴猶予としたことはやむを得ない。

 刑罰を科すために開く裁判は、教育改革や教師の資質向上を議論する場ではない。今回のような執行猶予が予想される事件であれば行政の懲戒処分で制裁としては十分だ。教師に前科をつけることは教育現場の改善にはつながらない。

 これで子どもの健全な育成を支える「職員室の改善・改革」は学校組織の自浄に委ねられた。学校を明るく前向きな場にするため、保護者や地域、子どもたちを交えて学校のあり方を考える場が必要だ。

2020/3/28

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