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【特集】神戸・東須磨小 教員間暴行

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 法律事務所での説明は、1時間半に及んだ。

 2月20日午後、神戸市内。天井の高い広々とした会議室に、6人が集まった。神戸市立東須磨小学校の教員間暴力について、外部委員会として調査している弁護士3人。ロの字形の机を挟んで向かい合ったのは、被害を受けた男性教諭(25)。家族と代理人弁護士も同席した。

 委員会の報告書が翌21日に公表されるのを前にした、被害者本人への説明だった。「ハラスメントとして認定された項目は…」。委員がパソコンを見ながら、淡々とした口調で読み上げていった。

 紺色のスーツに身を包んだ男性教諭は背筋を伸ばし、耳を傾けた。認定された項目には軽くうなずき、されなかったものには、「なぜ」というように目を見張った。

 ハラスメント認定されたのは、他の被害教員への行為も含め計125項目。「半分より、少し多いぐらい」。代理人は調査対象の数からみた感触を述べた。

 説明が終わり、男性教諭が口を開いた。「とても丁寧に、真実を認定してくださった」

     ◆

 報告書で加害教員A-Dとされた4人。いずれも、当初から男性教諭と関係が悪かったわけではない。むしろ、ある時期までは頼れる先輩だった。

 A、Bは30代前半の男性教員で、2012年度採用の同期だ。ともに男性教諭が着任する2年前の15年に異動してきた。配属2校目の若手だが学級運営の力量を評価され、Bは17、18年度といじめ対策を含む生徒指導も担当していた。

 今回、89項目と最も多く認定されたのがAだった。大柄で、高校時代はサッカー部。体育会系の雰囲気ながら、言葉遣いは児童には丁寧だったという。Aの学級に子どもがいた保護者が印象を語る。

 「注意するときも『それはしてはいけませんよ』という調子。一方で何度も行進の練習をさせ、規律には強いこだわりを持っていた」

 学級崩壊したクラスを立て直したこともあり、管理職の信頼は厚かった。ただ前任校時代の関係者は「図書室で行儀の悪かった男児の胸ぐらをつかみ、殴ったことがある」と明かす。

 Dは40代半ばの女性教員。17年に東須磨小に着任した。男性教諭が新人として赴任したのもこの年。同じ3年生の担任で、男性教諭が最も頼ったベテランだ。

 保護者も評価する。「一見きつい雰囲気に見えるが、教室全体の空気を自在に操るテクニックがあった」

 残るCは、30代後半の男性教員。採用15年目で、東須磨小への着任は18年。本年度は担任を持たず、教頭を補佐する「総務・学習指導担当」だった。

 問題発覚後の昨年10月9日、仁王美貴校長は会見で4人を「中核教員」と評した。報告書はこう表現した。「すべて優越的な関係を背景とした言動である」

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 いじめをなくす立場の教員がなぜ、許されない行為を繰り返したのか。シリーズ第2部は、報告書や関係者の証言などで過去3年間をたどる。まず、注目を集めた「カレー動画」から。あの日、複数の先生が、「先生」ではなくなった。(取材班)

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【連載・特集リンク】神戸・東須磨小 教員間暴行

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2020/2/25

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