医療

長寿の作法
医療や福祉現場で活躍する人々が、健康寿命を延ばす工夫を紹介します。
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前田佳予子さん
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前田佳予子さん
往年のヒット曲「瀬戸の花嫁」に乗せた体操を披露する学生ら。高齢者と楽しんでいる=西宮市武庫川町、武庫川女子大
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往年のヒット曲「瀬戸の花嫁」に乗せた体操を披露する学生ら。高齢者と楽しんでいる=西宮市武庫川町、武庫川女子大

 長生きの理由を探るために2010年度から京都府京丹後市と京都市、兵庫県明石市、西宮市の高齢者を訪ねています。85歳以上で介護保険を利用せず健康的な生活を送っている人が対象。私は管理栄養士ですので食事面を詳しく聞き取っていますが、長寿のいろんな傾向が分かってきました。

 印象深かったのは、だれかと食事をする「共食」の人が多かったこと。京丹後市は全国有数の長寿のまちですが、3世代が同居し、家族で食卓を囲む家が多かったのです。

 最近は独居の人でもフリーダイヤル一本で食事が届くサービスがあります。栄養面も配慮されていますが、会話もなく1人で食べる「孤食」では食が進みません。楽しい会話もごちそうの一つです。

 明石市の沿岸部も長寿の人が多い地区ですが、漁村のコミュニティーが良い影響を与えていると感じます。町内の結束が強く、独居の人も近所の人が誘って食事をする機会が多いように思います。

 介護保険が始まる前は、ホームヘルパーが独居のお年寄りの食事を用意した際、一緒に食べることが多かった。今はそれが難しくなりました。「孤食」が増えた点は介護保険の盲点だったと思います。ヘルパーや地域のボランティアの方が一緒に食べる仕組みをつくれないでしょうか。

 長寿を支えるには横のつながりが大切ですが、コミュニティーづくりの担い手として、私は団塊の世代の皆さんに期待したいと思います。

 食生活の調査で他に印象的だったのは、豚肉をよく食べる人が多いこと。食べ方では「好き嫌いがない・何でも感謝して食べる」「よくかむ」「腹八分目」が目立ちました。

 食以外では家族の中で役割がある人が多い。家の周りの草むしりをする、回覧板を隣の家に持っていく-など、ちょっとしたことでも家族の役に立っている実感が大切。性格面はくよくよしないこと。ストレスは体に悪いですね。(聞き手・田中伸明、協力・兵庫県予防医学協会)

【まえだ・かよこ】1956年生まれ。鈴鹿医療科学大大学院保健衛生学研究科修了。管理栄養士、日本在宅栄養管理学会理事長。京都府宇治市在住。

長寿のまち京丹後市

 京都府京丹後市は100歳以上が全国平均の2.75倍、人口約6万人に対し78人(8月末時点)。2013年に116歳で亡くなった木村次郎右衛門さんは「男性長寿世界一」に認定された。

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