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長寿の作法
医療や福祉現場で活躍する人々が、健康寿命を延ばす工夫を紹介します。
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渡辺恭良さん
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渡辺恭良さん
渡辺恭良さんらが抗疲労・癒やし・認知機能向上効果を確認したコミュニケーション型ロボット(渡辺さん提供)
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渡辺恭良さんらが抗疲労・癒やし・認知機能向上効果を確認したコミュニケーション型ロボット(渡辺さん提供)

 理化学研究所では、高齢者が元気に過ごすための「高齢者自立支援プログラム」を進めています。高齢になると、運動や認知などさまざまな機能が低下します。要介護にならないよう、どう予防するかについて、これまでの研究成果を生かそうとしています。

 センターの特徴は疲労の研究です。疲労の程度を知るには睡眠や自律神経、血中の指標物質などの測定が有効ということを明らかにしてきました。疲労がたまると引きこもりがちになり、健康長寿を阻害する恐れがあるので、疲労をいかに予防し、緩和するかについてお話しします。

 半年以上持続する慢性疲労で悩む人は国民の4割近いともいわれます。疲労は、生物が活動することで細胞にできる悪玉酸素を処理しきれず、細胞の部品(タンパク質)が酸化、つまりさび付くことで起こります。さびたタンパク質を元に戻すには時間がかかるので、睡眠や休憩を十分できないまま活動を続けると、過労になるのです。

 私は日本疲労学会の理事長で、大阪市立大特任教授でもあります。大阪市立大が中心に研究を進め、抗酸化力を上げる物質として、イミダゾールジペプチドやコエンザイムQ10、クエン酸などを見つけました。イミダゾールジペプチドは長期間飛んだり泳いだりする鳥や魚に多く含まれます。大阪市の日本料理店と協力し、抗疲労物質をテーマにした料理本も出しました。例えば「鶏のから揚げオレンジソース」は胸肉のイミダゾールジペプチドとオレンジのクエン酸を摂取できます。

 疲労の緩和には緑の香りが効果的で、森林浴がお勧めです。暖房の炎の明かりや木材を使った空間も、安心感や癒やしを与えます。高齢者向けコミュニケーション型ロボットの開発も支援しました。引きこもりを減らし、対話してもらうのが狙い。1人暮らしの方は認知機能が低下しないよう楽しみを持って外出し、人との会話を楽しんでください。(聞き手・金井恒幸)

【わたなべ・やすよし】1951年生まれ。京都大医学部卒。2013年から理研ライフサイエンス技術基盤研究センター長。石川県出身、神戸市在住。

和食の研究

 渡辺さんは世界遺産に登録された和食をテーマにし、ストレスや脳機能改善の効果についても研究を進めている。〝和食離れ〟が子どもの衝動性や学習意欲とどう関わるのかなどを調べたいという。

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