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長寿の作法
医療や福祉現場で活躍する人々が、健康寿命を延ばす工夫を紹介します。
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鷲見正敏さん
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鷲見正敏さん
神戸労災病院で骨粗しょう症の治療に取り組むメンバー(鷲見正敏さん提供)
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神戸労災病院で骨粗しょう症の治療に取り組むメンバー(鷲見正敏さん提供)

 骨の中のカルシウムが減って骨がスカスカになる「骨粗しょう症」。国内の患者数は約1300万人ともいわれます。年を取ると骨は弱くなるものですが、ひどくなると、つまずく▽せきやくしゃみをする▽重い物を持ち上げる-など日常的な動作が原因で、簡単に骨折するようになります。大腿(だいたい)骨を折るなどして寝たきりにもなりかねません。

 また、転んで尻もちをついた衝撃による脊椎の圧迫骨折にも要注意です。軽度の骨折なら痛みがしばらく続いた後、自然に治ることもありますが、脊椎のつぶれた部分がくっつかず、いつまでもがたがた動く「偽関節」と呼ばれる状態になると、動くたびに脊椎の中の神経に骨が触れて相当な痛みを生じます。

 さらに、「破裂骨折」によって脊椎の骨の一部が飛び散り、さまざまな神経を圧迫して下肢のまひや排尿障害などを起こし、日常生活に大きな支障を来すこともあります。

 これらは手術して治療しますが、骨折前の状態に戻すのは困難です。つえが必要になるなど、生活の質(QOL)は確実に下がってしまいます。そうならないためには、骨粗しょう症の予防が鍵となります。

 喫煙は骨粗しょう症を進めてしまうので、禁煙が望ましい。また近年、効果が実証された薬が多数ありますから、専門医を受診し、適切な薬を選ぶといいでしょう。バランスの取れた食事はもとより、運動も欠かせません。骨は適度な負荷が加わることで生成されますから。

 神戸労災病院では昨夏、骨粗しょう症外来を開設しました。医師だけでなく看護師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士らが連携して患者さんの状態を把握し、治療に取り組んでいます。

 元気に老後を過ごすためにも、男性なら60歳、女性は閉経を迎えたら一度、骨密度を測り、骨の状態を確認しましょう。(聞き手・片岡達美、協力・兵庫県予防医学協会)

【すみ・まさとし】1951年生まれ。神戸大学医学部卒。国立病院機構神戸医療センター整形外科医長などを経て2014年から現職。

骨密度

 20~44歳の平均値の80%以上なら正常、70%以上80%未満なら要注意、70%未満を骨粗しょう症とする。神戸労災病院では骨量・骨密度のほか筋肉・脂肪量も機械で同時に測定している。

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