医療

長寿の作法
医療や福祉現場で活躍する人々が、健康寿命を延ばす工夫を紹介します。
  • 印刷
小野裕美さん
拡大
小野裕美さん
小野さんたちが使っている「4群点数法」の説明図。1~3群は毎日各3点取り、4群は個人の必要量に応じて調節するよう勧めている
拡大
小野さんたちが使っている「4群点数法」の説明図。1~3群は毎日各3点取り、4群は個人の必要量に応じて調節するよう勧めている

 私たちの体は日々食べている物でつくられており、食と心はつながっています。高齢になると食べる量が減る上、偏りがちなので周囲の目配りが必要です。

 お年寄りの中には、買い物や調理が難しいといった理由で、ご飯やパン、麺類ばかりを食べている人が多く見られます。肉や魚の摂取量が少ないためタンパク質が不足し、加齢とともに心身の活力が低下する「フレイル」や筋肉が減る「サルコペニア」になる恐れがあります。具だくさんのみそ汁を追加するだけでも、バランスは良くなります。

 「〇〇を食べてはダメ」という方法はストレスが大きいので長続きしません。みそ汁は減塩みそを使い、小さなお椀(わん)に入れることで汁を少なくしたり、漬物は量を減らすなど、一歩ずつ取り組みましょう。

 高齢の方にとって「挑戦」はエネルギーになります。外出がおっくうな人でも「昔よく行った店に出掛けよう」と誘われると、「食べたい」という気持ちが呼び起こされます。さまざまな記憶と結びついた旬の食材を使うのも良いですね。特に認知症の人は、日々の生活でいろいろな不安を感じています。その人たちの尊厳を支えるのは食事なのです。

 一方、年齢を問わず「早寝、早起き、朝ご飯」は大事な習慣です。ホウレンソウやアスパラガスなどをゆで、製氷皿に入れて冷凍しておくと手軽に使えます。時間がなくても、野菜ジュース1杯、バナナ1本だけでもおなかに入れましょう。

 バランスの良い食事をするために、「4群点数法」という簡単な計算法があります。食品を栄養的な特徴によって4グループに分け「卵1個=1点」というように各品目を点数で示しています。高齢者は穀類や砂糖、油など「4群」の量を減らしてください。

 食品では補えない栄養素はサプリメントを活用しましょう。例えば、食事から摂取するのが難しく、不足すると動脈硬化などにつながる「葉酸」なら、多くは月千円未満で購入できます。

 食事と並んで運動も大切です。エレベーターはなるべく使わず、バス停一つ分を歩く。そんなことから始めましょう。まとまった運動が難しければ「〇〇の前を通った時は、つま先立ちする」といったルールを決めて取り組んでみてください。年を重ねても筋肉を鍛えることはできます。(聞き手・新開真理、協力・兵庫県予防医学協会)

【おの・ひろみ】1957年、神戸市中央区出身。女子栄養大学大学院修了、栄養学博士。慢性疾患を持つ人たちへの実践的な食事指導や、健康食品の販売などを行う会社「ドクターミール」を97年に創設し、代表を務める。食のアドバイザーを養成するNPO法人「栄養医学協会」理事長。同市須磨区在住。

小野さんが勧める三つの作法

一、お年寄りも肉、魚をしっかり食べる

一、「早寝、早起き、朝ご飯」を心がける

一、少しの運動でも継続。高齢でも筋肉は鍛えられる

フレイル

 加齢とともに運動・認知機能や気力が低下して疲れやすくなり、心身がストレスに弱くなっている状態。健康と介護状態の中間で、適切な治療や支援を受けると回復する可能性がある。

長寿の作法の新着写真
長寿の作法の最新
もっと見る

天気(7月15日)

  • 27℃
  • ---℃
  • 20%

  • 25℃
  • ---℃
  • 60%

  • 27℃
  • ---℃
  • 30%

  • 28℃
  • ---℃
  • 40%

お知らせ