医療

長寿の作法
医療や福祉現場で活躍する人々が、健康寿命を延ばす工夫を紹介します。
  • 印刷
谷口充孝さん
拡大
谷口充孝さん
健康長寿は良い眠りから。脳波などを測定し、眠りの質を調べる=大阪市淀川区宮原1、大阪回生病院睡眠医療センター
拡大
健康長寿は良い眠りから。脳波などを測定し、眠りの質を調べる=大阪市淀川区宮原1、大阪回生病院睡眠医療センター

 眠りは健康上重要という考えが広がっています。米国では健康政策の指針に「眠りの健康」を掲げ、免疫力を高めたり、糖尿病を防いだりする効果を明記しています。

 眠りと生活習慣病の関連を示すデータはたくさんあります。睡眠時間が短いと、糖尿病に加え、高血圧や心臓病のリスクが高まり、体重も増えやすいという報告があります。いずれも健康長寿を損なう要因になります。

 では、睡眠は何時間取ればいいのでしょうか。成人は7~9時間とされますが、高齢になると5~6時間でも問題ない人が多いです。

 一方で、高齢になると仕事や子育てから解放されて時間があるのに、十分眠れないという悩みを抱えがちです。全然寝付けなくて、何度も時計を見てしまう-などと訴える人がたくさん来院されます。

 実は、眠れないと思っていても結構眠れていることも多い。寝床に入る時間がきちんと確保できていれば、心配ないケースが多いのです。

 逆に寝床に入る時間が長すぎるのもよくありません。12時間も寝ようとすると眠りが断片化します。7~8時間に制限し、睡眠のリズムをつくることが大切です。昼寝も30分以内にした方がいい。朝起きる時間を一定にして体内時計を整えるのも効果的です。

 病気が睡眠を妨げる場合もあります。「睡眠時無呼吸症候群」は睡眠中に呼吸が度々止まる病気で、日中に強い眠気を覚え、仕事などに差し支えることがあります。また、うつ病の人が薬などで症状が軽くなった後、不眠が残る場合もあります。気になる場合は内科や精神科のかかりつけ医に相談してください。

 鮮明な夢とともに異常行動を起こす「レム睡眠行動異常症」や、足がむずむずして眠れない「むずむず脚症候群」が疑われる人は、睡眠専門医の受診をお勧めします。

 睡眠の質を高めるには、日中の活動や、寝る前の入浴が有効です。コーヒーなどに含まれるカフェインは、飲んだ少し後に覚醒作用が働くので、夕方以降は取らない方がいい。アルコールも、飲んだ数時間後に目が覚めやすくなるので、晩酌程度に量を控えた方がよいでしょう。

 睡眠薬は副作用が出る場合もあるので、なるべく使わない方がいい。睡眠の量は確保できても、質は高められません。自分のリラックス法を見つけて良い眠りを目指しましょう。(聞き手・田中伸明、協力・兵庫県予防医学協会)

【たにぐち・みつたか】1962年、大阪府高石市出身。山口大医学部を卒業後、大阪大病院神経科などを経て大阪回生病院に。2001年から同病院睡眠医療センター部長。睡眠医療のスペシャリスト。大阪市在住。

谷口さんが勧める三つの作法

一、短すぎず長すぎない睡眠で生活習慣病を予防

一、夕方以降のコーヒーと深酒は睡眠の妨げに

一、睡眠薬に頼らず、自分なりのリラックス法を

大阪回生病院睡眠医療センター

 国内2番目、関西では初の専門施設として1998年に開設。専門医や睡眠検査技師らが睡眠時無呼吸症候群や過眠症、治療困難な不眠症などを診療している。受診はかかりつけ医の紹介状持参を。TEL06・6393・6234(病院代表)

長寿の作法の新着写真
長寿の作法の最新
もっと見る

天気(8月9日)

  • 32℃
  • ---℃
  • 20%

  • 36℃
  • ---℃
  • 20%

  • 35℃
  • ---℃
  • 20%

  • 35℃
  • ---℃
  • 20%

お知らせ