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長寿の作法
医療や福祉現場で活躍する人々が、健康寿命を延ばす工夫を紹介します。
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丹生健一さん
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神戸新聞NEXT
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 聴覚は年齢とともに衰えます。高校生より中学生の方が高い音域まで聴き取れます。高齢になって衰えが顕著になり、聴きづらくなった状態が「感音難聴」です。健康長寿を保つには、難聴への適切な対応が重要です。

 子音は母音に比べ音域が高く、フランス語のように子音が重要な言語は特に聴きづらくなります。幸い日本語は母音が強いですが、聴き取りは難しくなります。女性や子どもの声、怒った声は高音のため苦手になり、男性やNHKアナウンサーの低い声は比較的に聴き取れます。

 こうした問題を解決する医療機器が補聴器です。しかし、単純に音を大きくするだけでは対応できません。高音だけが聴こえない人には、よく聴こえる低音がうるさく感じます。また、小さい音が聴こえなくても、ある一定の音量からは突然、健康な人と同じように聴こえる人もいます。一対一の会話は大丈夫でも、ガヤガヤした場所では周囲の音が混じり、肝心な声が聴こえないこともあります。

 人によって聴こえる範囲が異なる音の高低や大小を調整し、周囲の雑音をカットする補聴器もあります。耳に付ける集音器は、軽度の難聴なら対応できても十分に補うことは難しいです。

 聴こえが悪くなるのは感音難聴だけでなく、鼓膜に穴が開いて中に水がたまったり、中耳炎が影響したりすることもあります。まず、耳鼻科で診察を受けることが大切です。補聴器を使う前に、左右の耳を検査して症状を確認する必要もあります。眼鏡は1万円ほどの物もありますが、補聴器は標準的なタイプでも10万円程度で、20万円以上する物もあります。難聴の程度によって必要な機能は違うので、医師から信頼できる補聴器店の紹介を受け、試用してから使うようにしてください。

 眼鏡は見えにくい目の機能を補いますが、補聴器は原則としてよく聴こえる方の耳を優先して着けることになります。悪い方の耳はさまざまな機能で補っても雑音ばかりが聴こえ、良い方の耳の邪魔になることが多いからです。

 聴こえが悪くなると、同居する家族が「おじいちゃんは聴こえないから」などと会話の輪から外したり、認知症と誤解したりすることもあります。そうすると認知症を助長してしまうこともありますので、聴こえが悪くなったらぜひ受診してください。(聞き手・山路 進、協力・兵庫県予防医学協会)

【にぶ・けんいち】1960年、大阪市出身。東京大医学部を卒業後、東京大病院などを経て、2001年から神戸大医学部耳鼻咽喉・頭頸(とうけい)部外科教授。聴こえの臨床や頭頸部がん手術のスペシャリスト。神戸市在住。

丹生さんが勧める三つの作法

一、聴こえづらくなったら近くの耳鼻科を受診

一、聴こえや聴き取りの検査を受けて症状を把握

一、信頼できる補聴器店で症状にあった補聴器を選ぶ

大小の補聴器 操作性にも違い

 国内補聴器メーカー最大手の「リオン」は耳穴型、耳掛け型、箱状のポケット型、眼鏡型の4種類を販売。色合いもさまざまで、防水機能付きの製品もある。小さいほどスイッチも小さく、手先の細かな動作が必要になる。使いやすさも補聴器選びには重要だ。

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