医療

長寿の作法
医療や福祉現場で活躍する人々が、健康寿命を延ばす工夫を紹介します。
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神戸大大学院教授 青井貴之さん 
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神戸新聞NEXT
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 健康に長く生きるため、「こうした方がいい」と世の中で推奨されていることはたくさんあります。しかし、真偽が不明な情報も多く、本当に効果があったとしてもすべて実践するのは大変です。

 病気のリスクは、遺伝的・環境的な要因が影響するため、人によってさまざまです。ですから健康を維持する方法も、日常生活や検査で注意しなければならない点も、それぞれ違うのです。

 例えば胃がんという病気は、ピロリ菌の感染の有無によって、発症リスクが変わってきます。ピロリ菌に感染していない人は、しんどい胃カメラを毎年受ける必要はないかもしれません。

 食道がんならば、飲酒やたばこといった生活習慣で発症リスクが高まるし、生まれながらに持つ遺伝子型からなりやすい人もいます。お酒に強いか弱いかを決める遺伝子とも関わりがあるといい、飲むとすぐに顔色が変わるほど弱いのに大量にお酒を飲む人は、発症のリスクが高くなるとされています。

 このようにわれわれの健康は、生活習慣や生まれ持った体質などの影響を受けます。ですから健康に過ごすためには、自分がどういった点に気を付けるべきかを把握しなければなりません。

 これらのことを踏まえ、長寿のために重要なのは、普段から相談できる主治医を持つことと自分の特性を知ることだと思います。

 ピロリ菌の有無は、人間ドックで胃カメラで見れば分かります。飲酒やたばこのように、日常生活から病気の危険性を想定することも可能です。また、がんなどの病気は遺伝的な部分もあるため、家族の病歴から特定の病気へのリスクに備えられます。

 社会で出回る医療情報の質は玉石混交。個人で判断するのではなく、主治医に相談して情報を共有し、検査や予防などに取り組むことが大切なのです。

 病気のリスクを知るため、遺伝情報を調べる「遺伝子検査」という方法もあります。一部の疾患のリスクに関する遺伝子は病院でも検査しており、治療方針の選択などに役立っています。

 遺伝子検査は、将来的には個人の疾病リスクを推測し、予防する手段になっていくと思いますが、検査では現れない異変が起きることもあります。自分の体調の違和感に気付けるよう、感覚を研ぎ澄ますようにしてください。(聞き手・篠原拓真、協力・兵庫県予防医学協会)

【あおい・たかし】1973年、神戸市灘区生まれ。神戸大医学部卒。京都大大学院医学研究科修了。聖路加国際病院や日本赤十字社和歌山医療センターなどで勤務。京都大iPS細胞研究所教授などを経て、2013年から現職。

青井さんが勧める三つの作法

一、情報を見定め、正しい健康法を取り入れよう

一、病気のリスクは人それぞれ。自分の特性を知ろう

一、何でも相談できる主治医を見つけよう

遺伝子検査

 血液などを使って、遺伝子を構成するDNAの配列を調べる検査。先天的に持っている体質を明らかにし、発症しやすい病気について知る検査と、生後に生じた遺伝子変異を分析して病気を調べる検査とがある。

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