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支援を続ける被災者の記録映像を撮影した牧秀一さん=神戸市東灘区向洋町中6(撮影・大山伸一郎)
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支援を続ける被災者の記録映像を撮影した牧秀一さん=神戸市東灘区向洋町中6(撮影・大山伸一郎)

 阪神・淡路大震災の被災者支援に取り組むNPO法人「阪神淡路大震災よろず相談室」(神戸市東灘区)が、震災障害者や被災高齢者の証言映像を収めた記録集の製作を進めている。22人計20時間以上のインタビュー映像には、24年前の震災で生活が一変し、今なお不安や孤独にさいなまれる被災者の姿が映し出されている。同法人は「人間の復興とは何かについて思いを巡らせてもらえるよう広く発信したい」という。(金 旻革)

 よろず相談室は、理事長の牧秀一さん(68)が発足。災害復興住宅の高齢者を訪ねるほか、行政の支援から漏れた震災障害者の苦境を訴え続けている。

 震災直後、高校教諭だった牧さんは自宅近くの御影北小学校の避難所に駆け付けた。「家がつぶれた」「焼け出された」といった被災者の不安に耳を傾け、仮設住宅や復興住宅に生活が移った後も孤独死や自殺を防ぐため訪問を継続した。

 年2回、被災者とボランティアによる“同窓会”を開き、交流を心待ちにする人々が顔を合わせる場を設ける。震災20年となった4年前、信頼関係を築いてきた被災者の肉声を後世に伝えようと、証言を映像に記録することにした。

 証言者22人の半数は70歳以上の高齢者で、ほかに震災障害者とその家族ら。震災前後の人生の変化、震災から20年が過ぎた心境を牧さんが聞き取り、昨年11月までに全ての撮影を終えた。1人当たりの撮影時間は約1時間半~2時間。ほとんどの人が日々の生活の中で感じる寂しさやつらさを吐露した。

 ある女性は倒壊した自宅の下敷きになり車いす生活となった。人と会う時は明るく振る舞うが、1人になると「もう死んでもいい」と自暴自棄な気持ちに襲われることを打ち明けた。ピアノが頭部を直撃し脳に障害を負った女性の母親は、震災後の歩みを気丈に語る中で、不意に泣き崩れた。

 「話しにくい本音を語ってもらった。災害が人の心と生活に与える衝撃がどれだけ大きいかが分かる」と牧さん。今後、映像を編集し、発信する計画だ。牧さんは「復興とは被災者が再び前向きに生きられるようになること。映像を通じて、人を支えられるのは人だけだと伝えたい」と話す。

2019/1/7

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