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アレルギーとハラール食対応の災害食を開発した見野裕重さん=日乃本食産
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アレルギーとハラール食対応の災害食を開発した見野裕重さん=日乃本食産

 兵庫県三田市志手原の食品加工・卸会社「日乃本食産」が、食物アレルギーの人に対応した温かい災害食を開発した。少量の水で加熱できる肉じゃがや五目おこわなどで、イスラム教徒も食べられる材料で作った「ハラール食」。同社が誰でも利用できる災害食を目指した背景には、代表取締役の見野裕重さん(53)が阪神・淡路や東日本大震災の被災地で見た光景が原点だった。

 見野さんは阪神・淡路大震災の当時、三田から神戸や芦屋市の友人に食糧を届けた。途中のスーパーやコンビニは閉まっていた。「お金が通用せず、食べ物が買えない。究極の状態だった」と見野さん。初めて経験した状況が忘れられなかった。

 マツタケの卸売りなどが中心だったが、阪神・淡路から2年後の97年から食品加工に力を入れ始めた。災害食の開発に着手したのは東日本大震災があった2011年。納品先の宮城県のホテルに冷凍の魚や肉、加工品を届けた際、避難所を訪ねると、大人も子どもも冷えたおにぎりやパンを食べていた。「温かい食事ならいいのに…」。電気やガスを使わずに食べられる温かい災害食を目指したが、技術が追いつかず断念した。

 16年には熊本地震が発生。その後、食材を長期保存できる技術を確立し、同年10月、本格的に災害食の開発に乗り出した。

 「誰でも食べられるおいしい保存食」を目指し、ホテルや飛行機の機内食に卸している商品を基に、小麦や卵などアレルギーを起こしやすい原材料を除去。18年6月、殺菌や真空パックの技術を工夫し、賞味期限5年の白ごはんやチキンカレー、筑前煮、牛丼の具など6種類を開発した。専用パックにレトルトの商品をそのまま入れ、発熱剤と水を加えると蒸気が出て15~20分後に温かい状態で食べられる。

 同社は16年、イスラム圏からの訪日外国人観光客の増加に対応し、NPO法人日本ハラール協会(大阪市)の認証を取得。開発した災害食は、イスラム教徒が食べられない材料は使っていない。

 今後、販売を始める予定で、見野さんは「ライフラインが止まり、救援物資がない状況を想定した。何かあったときに被災者を元気づけられたら」と話す。日乃本食産TEL079・564・2222

(山脇未菜美)

2019/1/16

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