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朝焼けを背に、最後となるトランペットを奏でる松平晃さん=17日午前6時37分、神戸市中央区神戸港地方、ビーナスブリッジ(撮影・吉田敦史)
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朝焼けを背に、最後となるトランペットを奏でる松平晃さん=17日午前6時37分、神戸市中央区神戸港地方、ビーナスブリッジ(撮影・吉田敦史)

 夜明けの街に最後となる鎮魂の音色が響き渡った。神戸市内を一望するビーナスブリッジ(同市中央区)では、「早朝追悼のつどい」があり、トランペット奏者松平晃さん(76)=川崎市=が奏で、参加者が「神戸・希望の鐘」を打ち鳴らした。実行委員の高齢化で、この場所での追悼行事は今年で幕を閉じる。それぞれの思いを胸に手を合わせた。

 つどいは1996年に始まり、99年から松平さんの演奏が加わった。だが現地に行けない人が増えたため、終了を決めた。神戸市勤労会館で開く「1・17市民追悼のつどい」は続ける。

 午前5時46分。松平さんが、神戸の街並みを想像し作詞されたという「花の街」を演奏。実行委員長の安田秋成さん(93)は「ここは『天国に一番近い場所』。中止は苦渋の決断だが、犠牲者の尊い命は忘れない」とあいさつし、鐘を3回打ち鳴らした。

 当時中学3年生で、多くの同級生を亡くした男性会社員(39)=同市灘区=は、妻(34)、長女(4)と毎年訪れる。「ここで音色を聞くと、同級生を思い出す。震災の怖さや備えの大切さを子どもに教えていく」と話した。(村上晃宏)

■次男亡くした男性「子どもの姿で止まったまま」

 兵庫県西宮市奥畑の西宮震災記念碑公園。同市内で犠牲になった1086人の名前が刻まれた追悼之碑に白いカーネーションが供えられ、午前5時46分に約250人が黙とうした。

 次男の誠君=当時(9)=を亡くした竹田守さん(63)=同市=は「マコ(誠)が成長した様子を想像してみたが、やっぱり子どもの姿で止まったまま。明るいひまわりのような子で、無限の可能性があったのに」と悔やんだ。

 東日本大震災で津波が押し寄せた岩手県野田村の中学生6人も献花。7年前から毎年訪れる同村立野田中2年の生徒(14)は「ここは震災を改めて考え直すことができる場所。二度とこんな災害は起きないでほしい」と願った。(竜門和諒、名倉あかり)

■夜明け前の空に響かせた「愛は勝つ」

 北淡震災記念公園(兵庫県淡路市小倉)で開かれた同市主催の追悼行事には、遺族や行政関係者ら約200人が参加した。淡路島内の犠牲者数(島外で亡くなった1人を含む)と同じ63本の竹灯籠に火がともされると、遺族らは水面に浮かべ、静かに手を合わせた。

 門康彦市長が「南海トラフ地震が予想される中、先輩方の遺志を引き継ぎ、最善を尽くして備えよう」とあいさつ。午前5時46分に合わせ、全員で黙とうをささげた。

 犠牲者への鎮魂の思いを込めた今年の合唱曲は、KANさんの「愛は勝つ」。君の勇気が誰かに届く明日がきっとある-。明るい未来をたぐり寄せるように、力強い歌声を夜明け前の空に響かせた。(内田世紀)

2019/1/17

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