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 阪神・淡路大震災の被災者に国と自治体が貸し付けた「災害援護資金」の未返済分を巡り、兵庫県明石市と洲本市は17日までに、国が一部債権の放棄を認めた昨年末の通知を受けて、新たに計17件約2690万円について返済を免除する対象に判定したことが分かった。4年前に国が免除要件を緩和する方針を示した際、両市は対象の基準が不明確として作業を停止していた。貸し付けた自治体間で免除の進展に生じていた格差の解消に向け、一歩前進する。(井関 徹、若林幹夫)

 災害援護資金は、県内13市で計5万6422件約1309億円が貸し付けられた。返済を終えた姫路、三木市を除き、昨年9月末時点では11市で計3730件約53億円が未返済となっており、震災の残された課題の一つとされる。

 従来の免除対象は借り主が死亡した場合などに限られていたが、国は2015年、対象の拡大方針を提示。自治体の裁量で生活保護受給者や破産者、少額返済者にも広げる案を示した。

 この方針が、返済能力の有無などの判断基準を巡って国と兵庫県の見解が食い違う事態を生んだ。県を通じて手続きを行う神戸市以外の10市では、免除拡大を進めた自治体と、従来の基準を維持した明石、洲本の両市とで歩調が乱れた。

 対応がばらつく状況を踏まえ、国は昨年11月以降、現行法で対応可能な債権放棄を相次いで正式に決定。借り主と保証人がともに生活保護受給者や自己破産者の場合などに返済を免除するとした。

 これを受け、両市は拡大した基準で免除作業を開始。明石市は現時点で、借り主と保証人がいずれも生活保護受給者の4件計約660万円、いずれも破産者の12件計約1860万円が免除可能と判定。洲本市では、いずれも生活保護受給者の1件170万円が対象となる見込みという。

 未返済問題では借り主の生活困窮などから返済が滞り、一部で保証人の子世代にまで債務が引き継がれているケースもあるという。神戸市は17年、保証人に対する債権を独自の判断で放棄。現在は全ての返済を止めている。

 今後は少額返済者や、神戸市のみが免除した保証人の扱いが焦点で、自民党は議員立法での解決も視野にワーキンググループを今月下旬にも発足させる。

【災害援護資金】災害弔慰金法に基づき、全半壊世帯などに最大350万円を貸す制度。原資は国が3分の2、残りは都道府県または政令市が負担し、市町村が貸し付ける。阪神・淡路大震災での返済期限は10年だが、未返済が多額に上り、国は返済期限の延長を続けている。2017年4月に3年間猶予する4度目の延長を決めた。

2019/1/18

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