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台風19号で被災した時に支えてくれたボランティアへの感謝を語る松平晃さん=川崎市内
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台風19号で被災した時に支えてくれたボランティアへの感謝を語る松平晃さん=川崎市内
鎮魂の思いを込めて演奏する松平晃さん=2019年1月17日、神戸市中央区神戸港地方、ビーナスブリッジ
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鎮魂の思いを込めて演奏する松平晃さん=2019年1月17日、神戸市中央区神戸港地方、ビーナスブリッジ

 阪神・淡路大震災の犠牲者を悼み、神戸市中央区のビーナスブリッジで毎年1月17日早朝にトランペット演奏を続けてきた川崎市の松平晃さん(77)が、10月の台風19号で自宅が床上浸水し、2階での生活を余儀なくされている。「被災者の立場になり、改めて助け合うことがいかに大切かを身に染みて感じた」。生活の立て直しは道半ばだが、震災25年となる来年1月17日は鎮魂の気持ちに加えて、ボランティアへの感謝も音に込めるつもりだ。(竹本拓也)

 会社勤めの傍ら各地で演奏活動を続けていた松平さんは、1995年1月16日に神戸市の公演に出演。その日の夜に川崎に戻ったが、数時間後、大災害が起きた。「生かされた命」という思いは消えず、被災者の癒やしになればと、99年から同所で開かれる「追悼のつどい」で演奏してきた。

 台風19号が上陸した今年10月12日夕、玄関の隙間からボコボコと音を立てて水が入り込んできた。JR武蔵小杉駅近くでは、降った雨の量に排水能力が追いつかず、マンホールから水があふれていた。自宅は床上約60センチまで浸水。「半壊」と認定された。

 たんすやベッドが水につかり、エアコンの室外機3基が壊れた。トランペットの防音のため、1階の床下や壁に断熱材を入れていたが、水を吸って使い物にならなくなった。来年1月末まで工事が続き、数百万円の費用がかかるという。

 各地から駆け付けたボランティアが支えになった。泥まみれで床下にもぐって泥をかき出し、汚れた家具を丁寧に拭いてくれた。庭の手入れにも汗を流し「あとは何か(仕事は)ないですか?」「きょうはゆっくり休んでください」。さりげなく掛けてくれた言葉に思わず涙が出た。

 近隣住民の協力で、近くの建物に家具を仮置きすることもできた。松平さんは「人同士の助け合いによって自分がこんなに前向きになれるとは思わなかった」とかみしめる。

 「追悼のつどい」は今年1月17日限りで終了することが決まっていたが、東遊園地(神戸市中央区)で開く追悼行事「1・17のつどい」の実行委員会が運営を引き継いだ。既に演奏依頼を受け、来年1月17日に向けて準備を進める。「自分が被災者となってさらに阪神・淡路の被災地を身近に感じるようになった。新たに感じた思いも音色に乗せたい」

2019/12/11

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