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追悼式典に出席した遺族代表の松本幸子さん=17日午前11時11分、神戸市中央区、兵庫県公館(撮影・斎藤雅志)
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追悼式典に出席した遺族代表の松本幸子さん=17日午前11時11分、神戸市中央区、兵庫県公館(撮影・斎藤雅志)
追悼の言葉を述べられる秋篠宮さま=17日午後0時12分、神戸市中央区(撮影・斎藤雅志)兵庫県公館
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追悼の言葉を述べられる秋篠宮さま=17日午後0時12分、神戸市中央区(撮影・斎藤雅志)兵庫県公館

 兵庫県などによる「ひょうご安全の日のつどい」は神戸市中央区の県公館と、人と防災未来センター前の2会場で開かれた。秋篠宮ご夫妻も出席し、追悼の言葉を述べられた。

 正午ちょうど。同センター前にあるカリヨンの鐘が鳴らされ、参列者が黙とうした。県公館では主催者を代表して井戸敏三知事が「25年は長いようにも、瞬く間のようにも感じられる」と振り返り。妹を亡くした遺族代表の松本幸子さん(65)=同県芦屋市=は「私たちは災害の苦しみのどん底にいる人を、助け上げる社会をつくり上げてこられたのか」と社会全体で災害への備えをさらに進める必要性を訴えた。

 世界的な指揮者の佐渡裕さんと地元の児童らは、被災地で生まれた歌「しあわせ運べるように」などを献唱曲として披露した。両会場に献花台が設けられ、参列者が白いカーネーションを手向けた。(前川茂之)

     ◇     ◇

■遺族代表のことば

 あの日は、寒い朝でした。2階建ての家は1階がつぶれて、その1階で眠っていた妹を、いとこと、ご近所の方々が力を合わせて助け出してくれました。近所の車で消防署に運ばれましたが、心肺停止でした。

 地震の前日、コーヒーを飲みながら、妹は香港の友人の話を楽しそうにしていました。「年末にはイギリスか、フランスに行ってみたいね」と話していた矢先のことでした。

 毛布にくるまれて運ばれた所は、高校の体育館でした。ご遺体で埋め尽くされていきました。お父さんに付き添われた小学生らしき男の子。年配のご夫婦。苦しそうな顔の男性。声を掛ければ、目を覚ましそうでした。

 ライフラインが全て止まる中で、一番困ったのは飲み水の確保でした。給水車の長い列に並び、持ち帰った水は、飲み水やカップラーメンに使い、最後のスープまで飲み干しました。顔を洗い、口をすすいだ水は風呂おけにため、最後にトイレ用に使いました。最後の一滴まで無駄にはできませんでした。

 あの日から25年。大きな災害は繰り返しやってきます。私たちは災害の苦しみのどん底にいる人を、助け上げる社会をつくり上げてこられたでしょうか。つぶれた家の中で、燃える炎の中で、救助を待ちながら亡くなられた皆さまのことは決して忘れません。

 2011年の東日本大震災の後、私は福島の仮設住宅の炊き出しボランティアに加わりました。それがきっかけで、人と防災未来センターの語り部に手を挙げ、震災の経験を伝える活動を続けています。

 将来起こるといわれる南海トラフの巨大地震。今までに払ってきたたくさんの犠牲から学び、備えるならば、命を守ることは必ずできると思います。(要旨)

■追悼と誓いのことば(いずれも要旨)

【井戸敏三・県知事】

 創造的復興を目指して歩み続けたこの25年は、長いようにも瞬く間のようにも感じられます。

 あの大震災は、未曽有の被害をもたらすとともに、近代都市の抱える問題点を浮き彫りにしました。復興の過程で、心のケアや被災者生活再建支援制度など新たな仕組みも生まれました。こうした経験と教訓は、内外の被災地復興に生かされています。

 わが国は「大災害時代」に突入しており、備えを強めなければなりません。過去から学び、未来につなぐことが大切です。

 震災から25年、ようやく新たな兵庫づくりに目を向ける時代になりました。夢や希望が広がる「すこやか兵庫」実現に全力で取り組むと誓います。

【赤羽一嘉・国土交通相】

 未曽有の被害と多くの犠牲をもたらした阪神・淡路大震災は、人々に終生忘れがたい記憶と忘れてはならない教訓を残しました。ライフラインやインフラの甚大な被害を前に、安全・安心なまちづくりに向けた本格的な取り組みが始まり、国の防災・減災対策は着実に前進してきました。教訓を風化させず次世代に伝え、防災・減災が主流となる安全・安心な国づくりに総力を挙げると約束します。

【武田良太・防災担当相】

 兵庫県では「震災を風化させない」を基本コンセプトに経験と教訓を広く発信し、次の大災害への備えなどにつながる事業を展開しているとうかがっています。こうした取り組みが創造的復興のモデルとなり、より安全で魅力的な地域づくりにつながると確信しています。防災は国家の極めて重要な任務です。国民の生命、財産、生活を守り、安心して暮らせる社会の実現に全力を挙げます。

【長岡壮寿・県議会議長】

 阪神・淡路大震災から25年を迎えました。震災の風化が懸念される中、教訓を忘れることなく、内外に広く発信し、後世に伝えることこそ震災を経験した私たちの責務です。今後の災害に備えて、官民一体となった防災・減災対策を講じていかなければなりません。

 震災で犠牲となられた方のみ霊に哀悼の誠をささげるとともに、安全・安心な社会の実現に向け努力を続けていくことを誓います。

2020/1/17

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