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立花武さんの遺影を抱く妻の由紀恵さん(中央)と、銘板に手を合わせる長男の隆さん(左)=神戸市中央区加納町6(代表撮影)
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立花武さんの遺影を抱く妻の由紀恵さん(中央)と、銘板に手を合わせる長男の隆さん(左)=神戸市中央区加納町6(代表撮影)
立花武さん
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立花武さん
阪神・淡路大震災で全壊した「森温泉」。2階の住居部分が崩落し、煙突は半分に折れた=神戸市東灘区森南町1(1995年1月17日、立花隆さん提供)
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阪神・淡路大震災で全壊した「森温泉」。2階の住居部分が崩落し、煙突は半分に折れた=神戸市東灘区森南町1(1995年1月17日、立花隆さん提供)
2005年、元の場所にプレハブ建てで再建された「森温泉」=神戸市東灘区森南町1(立花隆さん提供)
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2005年、元の場所にプレハブ建てで再建された「森温泉」=神戸市東灘区森南町1(立花隆さん提供)

 神戸・三宮の東遊園地にある「慰霊と復興のモニュメント」には17日、復興のため奔走した故人らの名前も加わった。全壊した銭湯「森温泉」(神戸市東灘区)を避難所でいちはやく再開して被災者の心身を温め、2014年に81歳で亡くなった立花武さんの名前も。長男の隆さん(56)は「おやじが残した銭湯、1年でも長く続けるから」と誓った。

 森温泉は1961年に武さんの父が開業。95年1月の震災で2階の住居部分が崩落し、煙突は半分に折れた。武さんは妻の由紀恵さん(77)ら家族と近くの森公園に避難。テント村となった公園で暮らし、顔の広さから「村長」と呼ばれた。

 当初は「もう風呂は終わりや」とふさぎ込んでいた。だが避難者の「また風呂やってや」という声に応え、95年3月、がれきから掘り出したバスタブをブルーシートで囲って臨時の森温泉を開設。同年7月には元の場所にプレハブを建て、仮設営業を再開した。

 「おう、生きとったんか」「今どこにおんの?」。再開後、震災後に遠くへ移り住んだ人たちも集まり、そんな会話が途切れなかった。武さんはその様子を見守り、「被災者やボランティアと一緒に建て直した風呂や」と話したという。仮設営業は2005年に全面改修するまで続いた。

 会社員だった隆さんは06年に退職し、経営を引き継いだ。多くを語らない武さんだったが、遺書には「(銭湯は)非常につらく厳しいが公共性の高い仕事。来てくれるお客さんのために頑張ってほしい」という言葉が残されていた。

 この日、由紀恵さんが武さんの銘板を張り付けた。隆さんは、晩年まで番台に立ち続けた武さんの遺影を抱いて寄り添った。「おやじの生きた証しを残せてよかった」と手を合わせた。(金 慶順)

2017/12/18

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