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阪神・淡路大震災の復旧作業に従事後、悪性腹膜中皮腫で亡くなった島谷和則さんを思い、仏前で手を合わせる妻=明石市内
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阪神・淡路大震災の復旧作業に従事後、悪性腹膜中皮腫で亡くなった島谷和則さんを思い、仏前で手を合わせる妻=明石市内

 阪神・淡路大震災で兵庫県明石市職員としてがれき収集などに従事し、アスベスト(石綿)が原因とされる悪性腹膜中皮腫で2013年10月に亡くなった島谷和則さん=当時(49)=の妻(54)が、地方公務員災害補償基金兵庫県支部を相手取り、公務災害認定を求めて、神戸地裁に近く提訴することが分かった。(小林伸哉)

 支援団体によると、阪神・淡路大震災の復旧・復興作業に従事し、亡くなるなどした少なくとも4人が労災認定を受けたが、公務災害認定を求める訴訟は初めて。中皮腫は石綿吸引から十数~40年程度の潜伏期間後に発症するとされる。被災地では建物のずさんな解体などに伴う石綿飛散で、吸引による疾患発症が懸念されており、患者や遺族の救済に向けた認定のあり方が問われる裁判となる。

 遺族らによると、島谷さんは1991年4月、明石市に採用され、震災後は石綿含有とみられる建築廃材などのがれきを収集。パッカー車に積み込んだり、処理場で荷台からかき出したりする作業などに当たった。粉じんが舞い上がる中、石綿専用マスクはなく、衛生マスクで作業を余儀なくされた。

 12年6月に悪性腹膜中皮腫と診断され、12年8月に同支部に公務災害認定を請求した。しかし、14年3月に同支部は「公務外の災害」と認定。「(収集作業で)大量の石綿が含まれた粉じんを吸引したとは認められない」「震災から約17年での発症は、医学一般的な潜伏期間としては短い」などとした。

 遺族側は14年5月、認定を不服として同支部審査会に審査請求。「91年以降、建設廃材収集に従事し、震災時を含めて石綿にさらされた期間は、通算で公務災害認定基準の1年を超える」「腹膜中皮腫の潜伏期間には10~20年と短い事案が少数ある」「業務外で石綿に触れる可能性はない」などと反論したが、審査会は請求を棄却。17年8月に再審査を請求している。

 島谷さんの妻は「このままでは夫がなぜ亡くなったのか、分からないまま。夫は同僚たちの体調も気遣っていた。裁判で声を上げないと、次に同じ病気になった人が苦しい思いをしてしまう」と訴訟に踏み切った思いを語る。

2018/1/10

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