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環境防災科担当教員の3人。(右から)副科長の桝田順子さん、科長の和田茂さん、3年担任の柏木優作さん=舞子高校
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環境防災科担当教員の3人。(右から)副科長の桝田順子さん、科長の和田茂さん、3年担任の柏木優作さん=舞子高校

 約9千人が犠牲となった2015年のネパール大地震。舞子高校環境防災科の副科長、桝田順子さん(44)には悔しさが残った。毎年生徒数人をネパールに派遣。現地の高校生に阪神・淡路大震災の被害や教訓を伝え、防災の重要性を議論してきた。

 その国で、甚大な被害が出た。全半壊した建物は100万棟以上。現地に赴いた生徒の一人は「結局、何もできていなかった」と自分を責めた。国内外で多発する自然災害。同科を担当して約8年になる桝田さんは「結果がはっきりと見え、生徒が背負ってしまう。後悔しないように活動させてあげたい」と話す。

 環境防災科が誕生して15年。授業を担う教員も、生徒と一緒に現場に足を運び、共に学ぶ。専門科目を持つ教員は18人。どの教員も「防災」に関しては素人からのスタートだった。

 桝田さんが指導の姿勢を学んだのは、科創設から14年までの12年間、科長を務めた諏訪清二さん(57)から。阪神・淡路大震災の被災者と接し、地域での校外学習。中国・四川大地震(08年)や東日本大震災(11年)での生徒の派遣。いずれの活動も、科の礎を築いた諏訪さんが中心にいた。

 諏訪さんから「生徒に全能感を持たせても、無力感を持たせてもいけない」と言われていたという桝田さん。「今でも、迷った時に立ち返るよすがとなっている」と話す。

 授業では危機感を覚えることもある。生徒に東日本大震災の発生日時を確認した際、歴史上の年号のような振る舞いでメモを取る姿に見えた。「災害を歴史にしてしまうのは簡単だが、それではこの科の意味がない。共に生きていることを忘れない」と強調する。

 ただ、科を希望する教員は多くない。諏訪さんから科長を受け継いだ和田茂さん(59)は「出張が多いなど、外から見れば大変に見える」と話す。赴任3年目で、3年生を担任する柏木優作さん(32)も当初は防災を全く知らず、敬遠する気持ちがあった。しかし、現在は「生徒の方が知識もあり、考えも深い。分からないことを正直に伝えるのも大切」とクラス運営に力を注ぐ。

 現科長の和田さんは「教員の負担を軽くし、人が入れ替わってもチームで教員を育てられる態勢づくりが課題」と話す。「ここで防災を学んだ教員が別の学校に異動する。防災に熱心な先生が増えていくことが最終目標。『防災と言えば環境防災科』と言われている間は、まだまだです」(阪口真平)

2018/1/17

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