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「いつも一緒に絵を描いた」。夫仁志さんとの思い出を語る裏井幸子さん=淡路市久野々
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「いつも一緒に絵を描いた」。夫仁志さんとの思い出を語る裏井幸子さん=淡路市久野々

 阪神・淡路大震災の発生から3カ月後、支援活動の心労で倒れ、後遺症で半身不随となった淡路市久野々の元小学校教諭裏井仁志さんが昨年7月、85歳で亡くなった。夫の介護に身をささげた妻幸子さん(86)は震災の日を前に、「こんなかたちの被災者もいる、ということを知っておいてほしい」と呼び掛ける。(内田世紀)

 久野々出身の裏井さんは、同市の室津小や野島小で教壇に立った。定年退職後、学校厚生会の相談員を務めていた時に震災が発生。被災した教諭仲間や学校関係者を助けるため、食糧の運搬や避難所の訪問などに駆け回った。「毎晩遅くに戻って横になるけど『眠れない』って。それでも朝になるとまた出て行く」と振り返る幸子さん。「優しくてまじめ。困っている人を放っておけなかった」

 1995年4月、心労とストレスが重なり脳梗塞で倒れた。医師からは「寝たきりも」と告げられたが、リハビリに打ち込み、つえで歩くまでに回復。だが、半身不随と失語症が残った。

 その後は22年間、幸子さんと二人三脚で歩んだ。日本画が趣味の幸子さんの横で、色紙の俳画に挑戦。慣れない左手で描く作品は、幸子さんの個展に出品するまでに上達した。

 「孫もひ孫も元気。いい人生だったわね、なんて話して。言葉は出ないけど、いつもにっこりと笑顔で返してくれた」。近年は和やかに暮らしたが2017年7月4日、滞在していた高齢者福祉施設で息を引き取った。

 「地震さえなかったら、と思うこともあったけど、主人はいつも穏やか。人のために尽くした結果だから、後悔はしていなかったんでしょう」

2018/1/16

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