連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

記事特集

  • 印刷
兵庫署が作成した記録集の一文。経験者たちの悔恨と備えへの覚悟がにじむ
拡大
兵庫署が作成した記録集の一文。経験者たちの悔恨と備えへの覚悟がにじむ

 阪神・淡路大震災で庁舎が倒壊した兵庫署(神戸市兵庫区)が発生1年後に、当時の状況をまとめた記録集を内部向けに作成していたことが分かった。署員10人が生き埋めになり、うち1人が犠牲になる中、混乱した署内の様子を克明に記し、「直下型地震に対する平素の備えが皆無に近かった」と総括している。17日で震災発生から23年。兵庫県警は教訓を踏まえ、地震に加え、津波や土砂災害などで警察署機能が失われた事態を想定したマニュアルの策定に乗り出している。

 兵庫署は全52警察署(当時)で唯一倒壊し、管内の死者は550人を超えた。4階建て庁舎の1階部分が押しつぶされ、拠点機能が一時喪失した。庁舎は1997年7月に建て替えられた。

 記録集は96年2月に同署がまとめた「災害警備活動の記録~崩壊から復興を目指して」。A4判131ページで「災害警備活動状況」「地域安全対策の推進」などの10章で構成。生き埋めになった署員の手記など個人情報を含むため「部内限定」として公開されていない。

 記録集では、当時、夜間態勢で出勤者が少ない中、生き埋めになった署員よりも住民救助を優先したことを記載。がれきの中からの拳銃回収や留置人の移送など課題への対応なども明らかにしている。

 約400体の遺体検視や渋滞対応、延べ5千人を超える応援部隊の運用など「想定外の事態」への対処も部門別に記録。被災者の心のケアのほか、犯罪抑止に向け、防犯灯を増やすなど新たに手掛けた施策も伝える。

 「反省、教訓と今後の課題等」では、被災住民の救助に追われるなどして「被害実態の把握は困難を極めた」と指摘。庁舎が使えない場合でも住民向けの窓口や関係機関とのネットワークを確保し、情報を集める重要性を説いている。

 県警によると、震災後の22年間で資機材の充実や関係機関との連携が進み、東日本大震災では全国の警察本部で最も早い応援出動となった。しかし、阪神・淡路後の採用が約7割を占め、南海トラフ巨大地震に向けても想定外への教訓を見直す必要があるという。

 このため、新たに策定するマニュアルでは、県のハザードマップで浸水や土砂崩れが見込まれる警察署や交番、駐在所が使用できなくなった場合を想定し、代替拠点や応援態勢などについてまとめる。

 県警幹部は「兵庫署では想定外の惨事に何ができるかを全署員が自ら考えて対応した。与えられた状況で指示された以上の行動ができるよう日ごろから備えたい」と話す。

2018/1/16

天気(9月17日)

  • 31℃
  • 25℃
  • 20%

  • 28℃
  • 23℃
  • 40%

  • 32℃
  • 24℃
  • 10%

  • 31℃
  • 23℃
  • 10%

お知らせ