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酒店のシーンの撮影に臨むいまおかしんじさん(右)=神戸市長田区長楽町3
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酒店のシーンの撮影に臨むいまおかしんじさん(右)=神戸市長田区長楽町3

 阪神・淡路大震災で一人娘を亡くした夫婦の23年間を描いた自主映画の製作に、1995年デビューの映画監督いまおかしんじさん(52)=堺市出身=が取り組んでいる。昨年1月に撮影を開始し、ロケの大部分を神戸・三宮の東遊園地など神戸市内で実施。最後の撮影を17日に控え、「23年間、いろいろな人がいろいろな思いを抱えて生きてきたはず。決して表に出ることのない人々の時間を描きたかった」と思いを語る。(井沢泰斗)

 作品タイトルは「れいこいるか」。震災で3歳の娘怜子(れいこ)を亡くした夫婦が離婚し、すれ違いを繰り返しながら生きていくストーリーだ。物語の起点と終点は震災だが、成人向け映画も手掛けてきたベテラン監督ならではの人間ドラマが大半を占める。

 いまおかさんは95年のデビュー直後にも、震災をテーマにした作品を撮ろうと企画した。しかし、製作会社の許可を得られず断念。今回、以前から製作活動を支援してくれる知人から「自由に好きな映画を撮ってほしい」と資金提供の申し出があり、再挑戦が実現した。

 ただ、製作会社を通さないため、製作費はぎりぎり。俳優やスタッフも交通費を支給する程度で、1年間を通じて手弁当での撮影を了承してくれた。17日にようやくクランクアップを迎え、年内公開を目標に編集作業に取り掛かる。

 夫役の河屋秀俊さん(55)は「娘の死を背負い、人生を『楽しんではいけない』という思いと、『娘の分も懸命に生きなければ』という思いのはざまで揺れ動く父親を表現した」と話す。

 映画では、東遊園地の追悼行事のほか、須磨海浜水族園(神戸市須磨区)でイルカショーを観賞する場面などが描かれている。地元NPO法人がロケ地探しに協力し、店頭で飲酒できる「角打ち」の酒店や風情のある雑居ビル、老舗旅館など、神戸の下町の風景も登場する。

 いまおかさんは「あの時東京にいた自分が直接的に震災を描くのはおこがましいと思う。それでも、できることはある。見た方が自身の23年を振り返れる映画になれば」と力を込める。

2018/1/16

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