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【特集】ニュース解く説く TOKTOK

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 5月1日に天皇陛下が即位されてから、代替わりの儀式や行事が半年以上続いています。10月には即位を国内外に宣言する「即位礼正殿(せいでん)の儀」、11月には「大嘗宮(だいじょうきゅう)の儀」が執り行われ、ヤマ場を越えました。粛々と進行しているように見えますが、皇室の抱えるさまざまな課題も浮かびます。これまでの儀式などを振り返りながら、皇室のこれからを考えます。(田中伸明)

■憲法に違反?

 一連の儀式・行事のうち波乱含みだったのは今月14、15日にあった大嘗宮の儀です。国民の幸せや豊作を祈る「大嘗祭(だいじょうさい)」のメイン儀式ですが、宗教色が強いことから、国費を支出するのは憲法違反との批判が根強くあります。

 注目を集めたきっかけは秋篠宮さま(53)の発言です。2018年11月、誕生日を前にした記者会見で、皇室の私費「内廷費」を使うべきだと述べ、「身の丈にあった」規模への縮小も求められました。しかし政府は聞き入れませんでした。

 天皇一代一回限りの大嘗祭は江戸時代以前は質素な儀式だったとされ、200年以上行われなかった時期もあります。現在の大規模な姿になったのは明治以降。富国強兵の国策とともに天皇の権威も強化されました。戦後になって大嘗祭を規定した決まりは廃止されましたが、平成以降も「前例踏襲」で行われています。

 今回の大嘗祭で、国は儀式に使う祭場の規模を縮小しましたが、人件費の高騰などで費用は平成の時を4億7千万円上回る27億1900万円に膨らみました。明治以降の踏襲でいいのか疑問は残されたままです。

■跡継ぎは?

 即位の日に行われた「剣璽(けんじ)等承継の儀」も、皇室の課題を映しました。皇位のしるしの剣や勾玉(まがたま)を引き継ぐ儀式ですが、成人皇族の出席は秋篠宮さまと常陸宮さま(83)だけでした。

 この儀式には、皇位継承権のない女性皇族は出席できません。現在、継承の資格があるのは、秋篠宮家の長男悠仁さま(13)を加えた3人だけです。

 女性天皇が本格的に議論されたこともあります。2005年、当時の小泉純一郎首相が有識者会議に検討を依頼し、母方が天皇の血を引く女系天皇を含め、容認を打ち出しました。しかし、悠仁さまの誕生で立ち消えになります。

 女性の天皇はこれまで8人。一方、女系天皇は存在しないとされ、保守派は強く反対しています。

 女系天皇がだめなら、皇室の存続はいずれ悠仁さまに男児が生まれるかどうかにかかることになります。保守派には、戦前は皇族だった旧「宮家」の復活を唱える人もいますが、国民の理解が得られるかどうか。女系天皇を含めた議論は避けて通れません。

■役目は大変?

 数多い代替わり儀式・行事をこなすのは大変ですが、実は天皇が普段行う祭事も明治時代に大幅に増えました。上皇さまは熱心に務められましたが、退位を望まれた背景に負担の重さがあることは否めません。

 天皇の役割について、日本国憲法は国会の召集など国事行為のみ行うと定めています。これらは内閣の助言と承認に基づく形式的なものです。しかし役目はこれだけではありません。

 平成の間、祭事とともに力を入れられた活動に、全国各地の訪問があります。上皇ご夫妻や天皇、皇后両陛下が阪神・淡路大震災などの被災地を訪ね、膝をついて被災者に話し掛けられる姿は、国民に強い印象を与えました。

 被災地訪問は、法律などで決められた任務ではありません。当初は「皇室の権威を損なう」と批判する人もいましたが、「国民に寄り添う」姿勢は次第に支持されるようになりました。

 天皇は憲法で「国民統合の象徴」とされています。象徴の役目は何かという問いは、私たちにも投げ掛けられています。

2019/11/24

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