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【特集】ニュース解く説く TOKTOK

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官邸で記者会見する菅首相
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 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、菅義偉首相の発信力が疑問視されています。臨時国会閉会に合わせて4日に開いた記者会見は、国内では3カ月ぶり。官邸で「ぶら下がり」と呼ばれる囲み取材に応じることはあっても、追加質問には応じず、「一方通行」が目立ちます。記者会見は国民に思いを伝え、国民の疑問に答える場。これまでの首相はどうだったのでしょうか。(永見将人)

■追加質問応じず

 「節目にしか会見しないのか」。4日の会見で記者から問われた菅首相は、「機会がある時にぶら下がりなどでメッセージを発信している」と説明しました。

 基本的にぶら下がりは、内閣記者会(官邸記者クラブ)から秘書官に要請し、首相が応じる場合にのみ設定されます。菅首相は就任1カ月や、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長との会談後などに応じてきましたが、手元に再三目を落とし、用意されていたと思われる内容を一気に話し終えると「以上です」と立ち去るのが常。追加の質問が投げ掛けられても立ち止まりません。一般的な「質疑応答」とはほど遠い印象です。

 安倍晋三前首相も「桜を見る会」を巡る疑惑などについて説明責任を問われ続けました。新型コロナの「第1波」が拡大した今春、官邸での会見を8回行いましたが、冒頭発言に時間を割き、質疑応答は短時間。フリーランスの質問を司会の内閣広報官が打ち切るなどして、批判を浴びました。ぶら下がりでも多くは「言いっ放し」でした。

■風景変えた「小泉劇場」

 さかのぼれば首相への取材は、「番記者」が首相官邸や国会の廊下を歩きながら、質疑応答していました。

 しかし、小泉純一郎元首相の登場で一変します。2001年4月の就任以降、内閣記者会との取り決めで原則1日2回、あらかじめ時間と場所を決めて「ぶら下がり」に応じる形になりました。テレビが頻繁に映像を流し、ワンフレーズで印象づける“小泉劇場”の原動力になったとも言えます。

 次に首相となった安倍氏も、第1次内閣の時には小泉氏の方式をほぼ踏襲し、原則1日1回、対応。その後、福田康夫、麻生太郎、鳩山由紀夫元首相も基本的に引き継ぎました。

 しかし、次の菅(かん)直人元首相は当初こそ同じように応じていましたが、東日本大震災発生後は震災対応による多忙を理由に拒否。その後、野田佳彦元首相の在任時を含め、毎日のぶら下がり対応は現在まで復活していません。

 歴代首相の取材対応への消極姿勢からは、失言への警戒が透けて見えます。

 福田康夫元首相は08年の退陣会見で、記者の「ひとごとに聞こえる」との指摘に色をなして反論。「あなたとは違うんです」という言葉は「新語・流行語大賞」のトップ10に入るなど、大きな話題となりました。

■コロナ禍で取材人数制限「抽選」も

 永田町周辺では日々、さまざまな記者会見があります。官房長官の記者会見は、平日の午前と午後の1日2回、官邸で開かれます。11月26日にはサッカー界のスーパースター、ディエゴ・マラドーナさんの死去について質疑が交わされるなど、話題は多岐にわたります。

 各閣僚の記者会見は、毎週火曜と金曜の閣議後に開かれます。ただ、西村康稔経済再生担当相は今年3月に新型コロナ対策担当となって以降、ほぼ毎日開いています。1日に2度ということも珍しくありません。

 コロナ禍で、会見の形式にも変化が見られます。官邸での首相会見は緊急事態宣言が出された4月以降、「『密』を避けるため」として、記者の人数を制限。12月4日の菅首相の会見では、内閣記者会に加盟する常勤19社の記者1人ずつと、非常勤社やフリーの記者から抽選で選ばれた10人に限定されました。

 トップリーダーの「言葉の力」は、現在のような危機の際にこそ問われます。取材機会の制限が続かないよう、求めていくことが必要です。

2020/12/13

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