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【特集】ニュース解く説く TOKTOK

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第1回国勢調査の書類。当時の調査員の家に保存されていた(三田市提供)
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第1回国勢調査の書類。当時の調査員の家に保存されていた(三田市提供)

 今年は、5年に1度の国勢調査の年です。地域の人口や産業構造などを把握する国の最も重要な統計調査で、1920(大正9)年に始まりました。今回は21回目、100年の節目です。調査結果は、国の政策立案や民間のマーケティングなどに活用されますが、最近は戸別訪問を担う調査員が不足しているほか、今年は新型コロナウイルス感染予防も求められるなど課題も出ています。(佐藤健介)

■「欧米と肩並べる」目指し政策の基礎資料に

 国勢調査は統計法に基づき、調査年の10月1日時点で日本に住む全員を対象に実施。性別や生まれた年月、就業状態、世帯や住居の種類などを把握します。

 国の政策の基礎資料で、衆院選小選挙区の改定や国内総生産(GDP)の算定、少子高齢化や防災対策の立案などに使われます。企業や大学も、需要予測、各種研究などに活用します。

 第1回調査は1920年。明治政府が「欧米と肩を並べるため、国の情勢を知る」ことを国是として人口の全数を調べる方針を示し、02(明治35)年に「国勢調査ニ関スル法律」を制定しました。

 広報の一環で唱歌がつくられ、「一家の為は一国の為」「申告は 一に正直 二に正確」などの標語もできました。調査員は「文字を解し、事理に通じ、名望ある者」との要件で選ばれました。

 また、当時は、普段住んでいる場所ではなく、10月1日午前0時にいた場所で調査し、その時点で旅行している人は「宿」の世帯員として数えられました。

■「失業」「初婚」…  社会情勢に応じ質問

 社会の要請に応じて質問項目も改めました。29(昭和4)年に始まった世界恐慌を受けて雇用対策で「従業地」「失業」を加え、戦時には国家総動員体制に備えて熟練が必要で養成が難しい職種や技能を記させました。戦後は引き揚げ者や失業者の把握に努め、社会の安定の糸口を探りました。

 戦後復興が本格化する50(同25)年の第7回は、調査事項が様変わり。ベビーブームの中で「初婚かどうか」「結婚年数」や、教育制度再編の参考にと「在学年数」を調査。さらに主食配給のため、普段住んでいる場所を基準としました。

 高度経済成長期に入り、農村から都市へ人口が移動し、職業も多様になると、「家計の収入の種類」「現住居への入居時期」なども調査。高齢化や核家族化の進展を受け、高齢世帯や母子世帯も集計しました。

 併せて大型コンピューターなどを導入して、調査や分析の手法の効率化も進めました。

 また、外国人関連の統計も充実。90年以降は英語以外にも対訳集が作られ、言語の種類も順次増やしています。

 2010年調査の確定値については、東日本大震災の復興計画作成に役立ててもらおうと、岩手、宮城、福島の3県分の公表を前倒ししました。

■コロナ禍で調査員不足結果公表延期

 調査は、調査員が各世帯で調査票を手渡し、後日再び訪れて回収します。しかし、最近は担い手不足が続いている上、今回は新型コロナの影響もあり、感染への警戒から調査員の確保が進みません。

 総務省は、インターホン越しでのやりとりなどを奨励しています。インターネットや郵送での回答も促していますが、人数不足が響いて、結果の公表時期は、速報が4カ月延長して21年6月、確報も2カ月延ばして同11月となります。

 さまざまな分野で活用される重要なデータだけに、調査の質と正確性をいかに維持するかが、改めて問われています。

2020/9/27

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