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【特集】ニュース解く説く TOKTOK

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 7月1日、東海道新幹線に新型車両「N700S」がデビューします。N700系の登場から実に13年ぶりのフルモデルチェンジ。「S」には「最高の(Supreme)」の意味が込められ、快適性や安全性にこだわった700系シリーズ最高峰の新幹線です。一体どういった車両なのでしょうか。(竹本拓也)

■座り心地向上 防犯カメラ増設

 新幹線の特徴は、先頭車両の「顔立ち」です。現在主力の「N700A」は、正面からよく見ると、ライトが垂れ目なのに対し、N700Sは平行で、きりっとした表情に見えます。

 形状は、5万種類超のシミュレーションで決めました。走行時の空気抵抗を減らして、エネルギー効率が向上、騒音や振動も減少します。

 車内に入ると、普通車ではこれまで原則窓側にしかなかったコンセントが、全席の肘掛けに。座席も背もたれとシートが連動する構造で、長時間座っても疲れにくいといいます。停車前には荷棚が照らされ、忘れ物を防止します。

 セキュリティー面も強化。防犯カメラは1車両当たり2台を4~6台にしました。また、地震などで停電した際に、安全な場所まで自力走行できるバッテリーシステムも搭載されました。

■0系からN700系シリーズへ

 旧国鉄が新幹線の営業運転を始めたのは56年前。東京五輪直前の1964年10月1日でした。初代「0系」は、当時世界最速の最高時速210キロ。在来線の特急で6時間半の東京-新大阪間を4時間で、翌年には3時間10分で結びました。

 70年の大阪万博もあり、東海道新幹線は乗客数を順調に伸ばします。72年には山陽新幹線が新大阪-岡山間で開業し、75年に博多まで全通します。85年に登場した「100系」には、食堂車や個室がある2階建て車両が導入されました。

 87年、旧国鉄が分割・民営化され、東海道新幹線を引き継いだJR東海は、ビジネス需要に対応。92年に最高時速270キロの「300系」を投入し、東京-新大阪間を2時間半に短縮しました。

 速度だけでなく、快適性も追求。99年には、JR西日本と共同で、カモノハシの愛称で知られる「700系」を運行。空気抵抗を低減して乗り心地を改善しました。2007年には、より走行の安定性を高めた「N700系」を投入します。

 現在活躍中の車両の大半はN700系で、最高時速285キロで運転を続けています。N700Sはこれを維持します。

■引退新幹線の部材リサイクル

 0系から7代目のN700S。2020東京五輪の直前にデビューするはずでしたが、新型コロナウイルスの影響で五輪は来夏へ延びました。

 車両には、環境への配慮が詰まっています。目玉が、引退した新幹線の部材を新しい車両の部品に使う「アルミ水平リサイクル」。N700Sの荷棚には、引退車両の再生アルミが使われています。高速鉄道としては世界初の挑戦です。

 新幹線の車体は、部位ごとに最適なアルミ合金が使われています。再利用が難しく、これまでは溶かしてアルミ地金にする「カスケードリサイクル」にとどまっていました。

 今回、レーザーを使った選別技術で、引退車両から最適なアルミ部材を取り出して新型車両に使う「水平リサイクル」を可能にしたのです。

 雨の日も風の日も走り続けた「先輩」の一部を、次世代の新幹線が受け継ぐ。旅をしながら、そうしたロマンを感じられるのも素敵ですね。

2020/6/28

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