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【特集】ニュース解く説く TOKTOK

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 10月も中旬となり、今年の台風シーズンは終盤に差し掛かっています。気象庁によると、9月末まで、日本(北海道、本州、四国、九州)に上陸した台風は一つもありません。台風の発生自体も例年に比べて大きく減っています。どのような要因が考えられるのでしょうか。風雨への備えに加え、新型コロナウイルスの影響で避難所に入れないケースが出るなど新たな課題も浮かんでいます。(金 旻革)

■太平洋高気圧が張り出し

 日本への台風上陸が9月末までゼロだったのは、2009年以来11年ぶりです。過去5年間をみても年に4~6個が上陸しており、昨年の19号では長野県の千曲川が氾濫、一昨年の21号では関西空港の滑走路が冠水するなど大きな被害が出ました。

 今年は、台風の発生自体も9月末時点で13個にとどまり、前年の18個、前々年の25個を大きく下回っています。特に、7月は台風が1個も発生していません。記録が残る1951年以降で初めてのことです。

 従来、台風は、フィリピンの東の 海上で発生して、勢力を拡大しながら、日本の九州、四国、本州などの太平洋側に向かって北上します。しかし今年は、気象庁によると、台風の発生場所付近まで太平洋高気圧が張り出していたため、熱帯低気圧ができにくく、台風の発生が減ったとみられます。

■強い勢力での接近は倍増

 9月末時点で、上陸はゼロですが、日本に接近した台風は4個ありました。近年は、毎年のように台風災害が相次いでいます。実際に強い台風は増えているのでしょうか。

 気象庁発行の「気候変動監視レポート」の最新版によると、1977~2019年の43年間の統計で「強い」(最大風速33メートル以上)台風の発生数が増えているとはいえないようです。

 ただ、同庁気象研究所が今年8月に公表した研究結果では、過去40年間で日本の太平洋側に接近する台風は増えています。

 研究では、80~19年に日本に接近した台風の観測データを分析。前半20年と比べ、後半20年では接近数が増え、特に東京では前半に比べて約1.5倍に増えたという結果が出ました。

 台風は中心気圧が低くなるほど風が強まりますが、今回の研究では中心気圧980ヘクトパスカル未満の「強い」台風に限ると、接近数は前半の2.5倍でした。

 原因としては海水温が上昇して大気中の水蒸気量が増し、台風が発生しやすくなっていることなどが挙げられます。東京への接近時の海水温をみると、後半は前半より1.3度高い27.2度。地球温暖化との関連性は今後詳しく調査するとのことです。

■避難所、コロナ禍で満員

 今年注目を集めた台風は、9月6、7日に九州地方に接近した10号。気象庁が事前に異例のアナウンスを行ったからです。

 同庁は会見で「(台風10号が)特別警報級の勢力に発達し、広い範囲で甚大な被害を受ける可能性がある」と呼び掛けました。特別警報は重大な災害の危機がある場合に発令されますが、事前に発令の可能性を呼び掛けたのは、13年に運用を始めて以降1度だけで、今回が2例目でした。

 気象庁などが最大級の警戒を呼び掛けたことで、多くの人々が避難行動を取りました。しかし、コロナ禍と相まって、自治体の指定避難所が定員を超えるケースが続出しました。

 内閣府の調査では、避難者が多かった九州地方などの236市町村のうち4割に当たる100市町村が収容人数を超過したと回答。ほとんどの自治体が、ソーシャルディスタンス(社会的距離)の確保による定員数の減少や、従来の災害より避難者数が増えたことを理由に挙げました。

 また、81市町村がホテルや旅館などに住民が自主避難したと答え、その中で「宿泊施設が満室で入れない状況があった」という声もありました。

 大型の台風が接近した場合、コロナ禍で避難の在り方は従来の方法では難しくなっています。自治体と住民が一体となり、改めて災害時の行動を考える重要性が高まっています。

2020/10/11

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