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【特集】ニュース解く説く TOKTOK

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関西福祉大・勝田吉彰教授
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 新型コロナウイルスの感染拡大が長期化し、収束のめどが立たない中、冬に向けてインフルエンザとの同時流行が懸念されています。症状の見分けが難しいとされる両者をどう捉え、これからの日常生活は、何に気を付けて備えればいいのでしょうか。テレビや新聞でもおなじみの、感染症に詳しい関西福祉大学(兵庫県赤穂市)の勝田吉彰教授にポイントを尋ねました。(井川朋宏)

 -新型コロナとインフルエンザは何が共通し、何が違うのですか?

 発熱や呼吸器の症状はどちらもとても似ていますが、新型コロナは発症初期から、多くの人に味覚や嗅覚の障害が出るという報告があります。肺炎になるパターンも異なります。新型コロナに感染すると、肺炎が悪化するスピードが速い。インフルエンザはそれほどでもありません。

 また、感染を広げるタイミングも異なります。新型コロナは発症2日前からウイルスを排出するため、無症状でも周囲にうつすリスクがあり、感染力も強い。インフルエンザは発症前にうつす可能性は低いとされています。

■発熱時は事前に かかりつけ医に相談

 -厚生労働省によると、9月のインフルエンザ患者の報告例は、例年より大幅に少なくなっています。今季の流行は、どう予測されていますか?

 一つのウイルスが感染拡大する場合、感染経路が同じである別のウイルスは、拡大しにくくなる傾向にあります。それが当てはまれば、インフルエンザの流行は国内でも例年に比べて抑えられる可能性があります。実際、南半球では冬に当たる6~8月、あまり流行しませんでした。

 -医療機関にとって同時流行で危惧されることは何ですか?

 症状が似ているので、医師がどちらの感染症なのか判断することは困難なので、発症例が少なくても緊張を強いられます。すべての発熱患者に対し、どちらの可能性も考え、新型コロナに感染している前提での対策が必要になります。個人防護具の確保は行政の責任でもあります。

 患者側は発熱などの症状があれば、事前にかかりつけ医らに連絡した上での受診が求められます。

■インフル予防接種積極的に

 -国は8月、インフルエンザワクチンを、高齢者らに優先接種する方針を示しました。

 国の一つの基準ではありますが、高齢者だけでなく、子どもや基礎疾患のある人らは、積極的に受けた方がいい。熱が出る可能性を減らし、医療機関の負担軽減につながります。

 -新型コロナの感染者は減少傾向の中、9月19~22日の4連休は全国的に人出が増えました。現状をどう捉えていますか。

 「敬老の日」(9月21日)などには飲食店で、家族や高齢者同士が会食する光景がありました。その2週間後(10月上旬)の感染拡大を危惧しています。

 今夏に「夜の街」で若者が感染後、家庭内などで広がったのと違い、今回は高齢者が直接うつっているかもしれません。重症化しやすい高齢者が発症した際には特に注視しなければなりません。

■定期的に換気 喉の粘膜保護も大切

 -気温が低くなる冬に向け、特に注意すべきことは何ですか。

 寒くなり室内を締め切った状態になり、「3密(密閉、密集、密接)」の状況になる可能性が高まります。定期的に窓を開放し、換気することが大事です。また、乾燥して喉の粘膜が荒れる人が多く、ウイルスが入りやすくなることにも注意が必要です。

 改めて、手洗い▽咳エチケット▽ソーシャルディスタンス(社会的距離)▽換気-といった基本を心掛けましょう。目新しい話はなく、対策の合格点を取り続けることが、感染を防ぎます。まさに「継続は力なり」です。

【かつだ・よしあき】1961年京都市生まれ。川崎医科大大学院修了後、英オックスフォード大留学。臨床医として医療機関に勤務後、外務省に入省し、医務官として北京で新型肺炎(SARS)への対応を経験した。近畿医療福祉大教授を経て、2012年から現職。専門は渡航医学など。

2020/10/4

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