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【特集】ニュース解く説く TOKTOK

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 播磨灘沿岸を東西に結ぶ新たな“大動脈”として「播磨臨海地域道路」(神戸市西区-太子町、約50キロ)の四つのルート案が、国土交通省から公表されました。2020年度中にも一つに絞り込まれ、大まかなルートが決まる見込みです。約20年前から要望を続ける兵庫県や地元自治体からは、「整備への大きな一歩」と歓迎する声が上がっています。どのような背景で計画され、どのような道路になるのでしょう。(切貫滋巨)

■渋滞緩和が目的 進出企業も整備要請

 播磨臨海地域では東西を結ぶ要の加古川バイパス(BP)や姫路BPなどに交通が集中し、渋滞が慢性化しています。両BPが開通した1970年代以降、工場の進出や人口増などで交通量は急増。現在、交通量は加古川BPで1日9万4千台、姫路BPで11万7千台と、整備時の想定を各約5万台も上回っています。

 渋滞によりさまざまな影響が出ています。死傷者を伴う交通事故率は加古川BPで県内平均(自動車専用道路)の2.5倍以上。事故の8割が追突で、多くは渋滞が原因と考えられます。

 また、沿線地域には神戸製鋼所など大手企業の製造拠点が集積。企業からは「渋滞によって生産活動への影響が出ている」との声が上がっています。新たな道路が開通し物流機能が強化されれば、さらなる工場進出も見込めます。

■コストや効果 各ルートに長短

 地元からの要望を受け、国交省は第二神明道路-姫路市広畑区間に設定した3区間を優先して整備する方針を決め、18年には片側2車線の自動車専用道路とすることを決めました。

 今年8月に示されたルート案は約1.4キロの幅のある帯状で内陸案と沿岸案の2種類。それぞれ東端の第二神明との接続部に向かって、加古川市か播磨町を通り北上する「加古川ルート」と、播磨町と明石市を通り北上する「明石ルート」があります。播但連絡道路とは姫路ジャンクション(JCT)で接続します。

 内陸案のメリットは、BPにアクセスしやすく大阪・神戸方面への所要時間が短い点などで、渋滞緩和効果が期待されること。デメリットは一部で市街地を通るため、大気汚染や騒音など生活環境への悪影響が懸念されることです。

 沿岸案は海の上や工業地を主に高架で走らせる想定です。内陸案に比べて生活環境への影響範囲が小さいのですが、渋滞緩和の効果などが内陸案に劣り、建設費は約1.5倍です。

 第二神明との接続については、加古川、明石ルートとも明石西インターチェンジ(IC)には直接つなげません。現在も周辺で頻繁に起きる渋滞に拍車をかける恐れがあるからです。

■住環境や生産活動巡り地元自治体に思惑

 地元自治体のうち、明石市の泉房穂市長は明石ルートについて「立ち退きで地域の分断などが懸念される」と反対を表明。播磨町の清水ひろ子町長も「明石ルートは住環境への影響が大きい」とやや慎重な発言をしています。

 一方、加古川市の岡田康裕市長は加古川ルートを積極的に受け入れる姿勢です。高砂市の登幸人市長は市内の工場地帯を通る内陸案について生産活動への影響を気にしています。姫路市は国道250号の渋滞緩和にはより効果が高いとして内陸案を支持しています。

 国は住民アンケート結果などを踏まえて大まかなルートを決め「計画段階評価」を完了した後、各市町で詳細なルートなどを検討する都市計画決定に向けて話し合います。議論がスムーズにいくとは限らないことを踏まえ、専門家によると「道路の完成に向け、現段階はまだ5合目くらい」。ここ数年、整備に向けて計画は順調に前進してきましたが、事業化までに越えなければならないヤマ場はまだまだ多そうです。

2019/12/15

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