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【特集】ニュース解く説く TOKTOK

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せっかくなのでオンラインで取材しました=神戸市中央区
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せっかくなのでオンラインで取材しました=神戸市中央区

 新型コロナウイルスの世界的流行で、会社以外の場所で仕事をする「テレワーク」が脚光を浴びています。私も今、この原稿を自宅で書いているテレワーカーの一人。不要な出社を避ければ感染リスクは減らせますが、上司や同僚とじかに話す機会は少なくなり、不安や孤独も感じます。今回の疫病禍は、労働者と仕事の関係を大きく変える契機となるのでしょうか。調べてみました。(上杉順子)

■外回りの携帯電話応対も実は該当

 テレワークは「1億総活躍社会の実現」を掲げる安倍晋三政権の重要政策「働き方改革」の一環で、2016年ごろからよく聞かれるようになりました。そもそもテレワークとは、どんなものなのでしょうか。

 IT企業や地方自治体など338企業・団体が加盟する日本テレワーク協会に定義などを聞いてみると、テレワークとは「離れたところで働く」という意味の造語。大きく分けると、在宅勤務▽モバイルワーク▽サテライトオフィス勤務-の三つがあるとのことです。

 例えば、外回りの仕事なら誰でも日常的にこなしている移動中の携帯電話への応対はモバイルワークに該当します。今回のコロナ禍では在宅勤務の印象が強いですが、テレワーカーは以前から相当数、存在していたと言えそうです。

■同僚と分担確認 休憩時間もしっかり設定

 同協会はテレワークがもたらす効果として「事業継続性の確保」などを挙げます。働き方を多様化すれば、今回のような緊急事態にも対応できるわけです。

 一方で、慣れない労働者からは「自宅にいると『オン』と『オフ』のメリハリが付けにくい」などと戸惑う声も。ここは先行企業にこつを伺いましょう。

 01年に在宅勤務制度を導入した大手日用品メーカーのP&Gジャパン(神戸市中央区)は、新型コロナ感染拡大を受けて今月、生産性や個人の能力を最大限発揮できる手法をニュースリリースで公開しました。

 まずは、事前に同僚と業務の協力・分担を確認しておくことと、メンバー間のつながりを維持する手段を持つこと。加えて、通勤の代わりに仕事開始前の散歩など日課を設定する▽休憩時間も予定に組み込む▽会社のIDストラップを首に掛け、「これを掛けているときは仕事中」と子どもに教える-など、ちょっとした工夫も伝えています。

■事業継続に不可欠 定着、多様化へ

 テレワークへの関心の高まりは、関連商品の売れ行きからも読み取れます。

 事務機器大手のリコージャパン(東京)は、働き方改革を受けて17年秋に発売した、モバイルパソコンやインターネット環境を組み合わせた「テレワークまるごとパック」への新規の問い合わせが2月以降、急増。ホームページ経由では従来の6、7倍に跳ね上がり、売り上げも前年比1.6倍程度に伸びたといいます。3月末には自宅でも使えるプリンターを組み入れたり、自社サーバーへ安全にアクセスできる機能を付けたりした「在宅勤務パック」を緊急発売しました。

 「コロナの影響で、中小企業のテレワークの捉え方が変わってきました」と同社働き方改革グループリーダーの室岡友紀さん。働き方改革というより、事業継続に不可欠な手段と考える企業が増えたといいます。

 「コロナが収まった後もテレワークは定着するでしょう。今回のことで会社に行かなくても仕事はできる-とみんなが気付きました。今後、働くスタイルはより多様化するのではないでしょうか」と話しています。

【実践者に聞く】

■製薬会社「日本イーライリリー」マーケティング担当ユカさん

 実際に在宅勤務をしている人は日々、どう感じているのでしょうか。製薬会社の日本イーライリリー(神戸市中央区)でマーケティングに従事するユカさんにお話を伺いました。

 前職を含めテレワーク歴10年以上のベテラン。小学生と高校生の子ども2人がいて、平均週1回ほど在宅勤務をしています。新型コロナウイルス感染が深刻化した3月上旬以降は、会社の指示で原則在宅勤務です。

 勤務時間は決められていませんが、生活リズムを保つためなるべく午前8時~午後7時に働きます。予定は社内システムで同僚と共有。臨時休校では昼食作りが「最大の困難」でしたが、子どもに頼むと、ネットでレシピを見て調理し、洗い物までしてくれて、非常に助かっているそうです。

 仕事は半分程度が会議。オンライン対応は容易で、家庭用モニターや会社貸与のパソコン、モバイルルーターを使います。間の取り方や話す速度、相手の名前を呼んでから話す-などがこつです。最近重宝しているのはワイヤレスイヤホン。「離席しても、会議の内容を聞き漏らすことがありません」。仕事は寝室の机で。静かで集中できる場所を選んでいます。

 今後の課題は「雑談」。たわいないおしゃべりから生まれる気付きがなくなってしまいます。社内システムなどを活用して、同僚とテレワークの悩みや近況を話す時間を設けています。

【記事特集リンク】新型コロナウイルス

2020/4/26

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