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わが町の文化財

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加茂山の山頂付近にある観涛処=高砂市竜山
加茂山の山頂付近にある観涛処=高砂市竜山

 自然を生かした巨大なキャンバスに力強い書体が躍る。加茂神社(高砂市竜山)が建つ加茂山の山腹にたたずむ“芸術作品”。竜山石を垂直に切り出した高さ4・2メートル、幅11メートルの断面に、「觀(かん)」「濤(とう)」「處(しょ)」の3文字が並ぶ。1文字の大きさはそれぞれ、約百数十センチ四方もあり、筆先のはねやはらいまで精緻で忠実に彫られている。

 文字は、江戸時代に活躍した儒学者で書家の永根文峰(ぶんぽう)が19歳の時に書いたもの。文峰を姫路藩の儒学者に推挙したのが、文峰の父伍石(ごせき)と親交があった姫路藩家老の河合寸翁(すんのう)だった。文峰は32歳で亡くなるが、死後間もない天保7(1836)年、寸翁は文峰の書を岩盤に刻ませた。向かって左脇には伍石による跋文(ばつぶん)があり、息子の来歴などを記して故人をしのんでいる。

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2016/11/3
 

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