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長谷川元気さんの経験を題材にした紙芝居で、児童らに家族の大切さなどを伝える室上裕幸さん=神戸市立塩屋北小学校
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長谷川元気さんの経験を題材にした紙芝居で、児童らに家族の大切さなどを伝える室上裕幸さん=神戸市立塩屋北小学校
体験が紙芝居になった長谷川元気さん
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体験が紙芝居になった長谷川元気さん

 小学2年生のときに阪神・淡路大震災で母親と弟を亡くした小学校教師、長谷川元気さん(30)=神戸市東灘区=の経験を題材にした紙芝居が、防災教育の教材として広まりつつある。震災を経験していない若い教師が増える中、長谷川さんの経験が大切な家族を亡くしたときの悲しみや、そうならないための備えの重要性を子どもたちに伝える。(高田康夫)

 紙芝居は「げんきくんのゆめ」。長谷川さんが所属する震災の語り部グループで神戸学院大の舩木(ふなき)伸江准教授も活動している縁で、同大の学生たちが長谷川さんにインタビューを重ねて作った。

 公園で母規子さん=当時(34)=や弟翔人(しょうと)ちゃん=同(1)の救助を待っているシーンや、2人が亡くなったと分かった時、学校の担任に励まされて教師を目指したことなど、それぞれの場面を絵で示し、児童にどう感じるかを問い掛ける。紙芝居は長谷川さんの体験を、子どもたちが自分のことのように考えるきっかけになる。

 昨年12月、神戸市垂水区の市立塩屋北小で、3年生の担任室上裕幸さん(28)が防災学習の授業で紙芝居を披露した。室上さんは震災当時、幼稚園児。神戸市西区の自宅で皿が割れ、水が出なくなったが、断片的な記憶しかない。「自分で覚えていないことを、どう伝えればいいか分からなかった」という。

 一昨年に大学生が紙芝居を使って授業しているのを見て、自身も挑戦するようになった。「大切な人がいる幸せと、一瞬でいなくなるかもしれないということを伝えたかった」と話す。

 神奈川県座間市、市立座間小では舩木准教授の紹介で、防災教育を担当する小辻美音(みお)さん(36)が昨年3月、3年生に紙芝居を使った防災教育を実施。3年生は災害時の家族との連絡方法などを学んでおり、家族の大切さや絆に焦点を当てた。

 座間市では近年、大きな災害はなく、小辻さん自身も被災経験はない。「だからこそ意識だけは高めておきたい。紙芝居は子どもの年齢や目標とするレベルに合わせて活用できる」と話す。

 神戸市兵庫区の市立明親小で防災教育の担当になった長谷川さんは「家族を失った人のつらさを、自分のこととして考えられる教材だと思う。今何をすべきか、考えるきっかけとして広まれば」と期待する。

2017/1/10

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