記事特集
【午前】
5・50 長田区・神戸の壁跡の復興住宅 犠牲者17人の名が刻まれた記念碑のろうそくに火をともし、住民ら約30人がピンクのカーネーションを手向ける。集いの参列者は年々減っているが、自治会長の笹野晴資(やすし)さん(67)は「思いのある人がいる限り続けたい」。
5・55 長田区・日吉町ポケットパーク 地蔵堂の前で地元住民らの焼香が始まる。20人の僧侶による読経が響く。150本の灯籠に照らされたこの地区に長屋が並んでいた風景を知るのは、住民の約半数となった。太田中3年の三浦彩さん(15)は、小学生の頃から同級生と追悼行事に参加する。「神戸で起きた全てを知ることはできない。でも、できるだけ吸収し、いざというときに動ける人になりたい」と力を込めた。
6・15 長田区・カトリックたかとり教会 地域住民や宗教者が祈りをささげ、豚汁で体を温める。例年、東遊園地からのテレビ中継を見ていた三住知子さん(51)=須磨区北落合3=は、大きな被害を受けた場所で手を合わせようと訪れた。「逆に励まされたような、不思議な感覚になりました」
6・48 兵庫区・神戸平野教会 礼拝堂で初めて開かれた追悼イベントが終わる。50個のろうそくの明かりを前に、牧師の吉持志保さん(74)と信徒7人が「アーメン」と声をそろえ祈りをささげた。吉持さんは「これが私たちの初めの一歩。犠牲者を祈り、経験を語り継ぐ場にしていきたい」と前を向いた。
7・50 中央区・神戸市役所 震度7の地震を想定し、市内の被害状況を報告する会議の訓練に続き、久元喜造市長が幹部職員約500人に訓示。震災後の入庁職員が半数以上になったことに触れ、「歳月の流れを止めることはできないが、学ぶことはできる。組織が持つ暗黙知を新しい世代にしっかりと継承してほしい」と述べる。
10・35 長田区・鉄人広場 近くのNPO法人「こぐまプリスクール」の0~2歳の園児15人が「しあわせ運べるように」を合唱する。
11・00 淡路市・北淡震災記念公園 阪神・淡路と東日本大震災、熊本地震の各被災地で地元紙記者が撮影した写真展に、加古川市立志方中1年生が震災学習に訪れた。長谷川美結羽さん(13)は「次の地震に備え、きちんと身を守る判断ができるように学んでいきたい」。
11・50 中央区・人と防災未来センター前 県などが主催する追悼のつどいが始まる。児童の合唱に続き、参列者が慰霊のモニュメントに献花する。
【午後】
12・00 神戸港 フェリーや遊覧船が一斉に30秒間、追悼の汽笛を響かせる。洲本港(洲本市)でも5隻、福良港(南あわじ市)でも2隻が鳴らした。
12・00 須磨区・ほっともっとフィールド神戸 プロ野球オリックスの福良淳一監督(56)らが黙とう。阪神・淡路大震災を知らない新人選手も整列し、バックスクリーンの半旗に向かって目を閉じた。1995年のリーグ優勝、96年の日本一に貢献した田口壮2軍監督(47)は「『がんばろうKOBE』は体に染みついている。忘れることはできない」としみじみ。
12・00 長田区・大正筋商店街 商店主らが黙とう。宮城県南三陸町から届いたカマスのつみれ汁を振る舞う。
12・20 洲本市・広石小学校 娘2人が同校に通う森岡清美さん(49)が、震災後に旧北淡町(現淡路市)でボランティアに奔走した日々を児童に伝える。「当時はあんなに必死だったのに、記憶はどうしても薄れてしまう。きょうは家族で避難方法について話し合おうかな」
12・55 西宮市・仁川学院 中学生約250人が、東日本大震災の被災地、宮城県女川町の復興の様子を学ぶ。同学院は阪神・淡路大震災で、教会が避難所になった。3年生の尾藤結子さん(15)は「日常生活が失われる怖さを知った」と話した。
13・00 中央区・神戸市役所前 市民団体による「1・17追悼・連帯・抗議の集い」。賛同者たちが舞台に上がり、神戸市と西宮市が「借り上げ復興住宅」の入居者に明け渡しを求め、提訴したことに対し「弱者を切り捨てる行政に怒りが込み上げる」と訴えた。
13・00 須磨区・新大池東住宅 入居する高齢者やその支援者が集まり、震災の犠牲者を追悼。災害支援に取り組む名古屋市のNPO法人「レスキューストックヤード」と住民の交流もあった。「神戸は都市災害からの復興の原点。若い人たちにも伝えていかなければ」と、同法人の栗田暢之代表(52)。
14・00 東灘区・横屋会館 同区の末岡健司さん(81)が、震災直後にビデオカメラで撮影したドキュメンタリー「そして街は消えた」を神戸で初めて上映する。がれきの山、「お母さんが下敷きに」と惑う女性、お骨を捜す家族-。次々と映し出されるあの日の惨状に約60人が見入り、すすり泣きが響いた。
14・46 中央区・東遊園地 東日本大震災が発生した「3・11」をかたどった竹灯籠に追悼の灯が揺れる。「黙とう」。二度と帰らぬ大切な人を思い、目元をそっとぬぐう人の姿も。「私たちの街もきっと元に戻る」。東北から訪れた被災者は、自らの復興に神戸の今の姿を重ね合わせた。
14・50 須磨区・太田中学校 「防災の集い」が開かれ、生徒たちが「しあわせ運べるように」を響かせた。
15・00 長田区・野瀬病院 神戸ルミナリエの会場音楽を担当する上田益さん(60)が主宰する「神戸いのりのとき合唱団」が追悼の調べを響かせる。
17・35 長田区・JR新長田駅前 ろうそく約千本に火がともされ、「1・17 ながた」の文字が浮かび上がる。叔母の浜中かよ子さん=当時(45)=を亡くした会社員谷岡美妃子さん(48)はろうそくに点火し、「娘のようにかわいがってくれた叔母に、自分の娘を会わせたかった」とつぶやいた。
17・46 中央区・東遊園地 「1・17のつどい」で、竹とペットボトルの灯籠7600本に点灯し、参加者全員で黙とう。「亡くなった方々の分も 毎日を大切に生きてゆこう」。西灘小(灘区)の児童の歌声が夜空に響くと、すすり泣く人の姿もあった。
17・46 淡路市・市営災害復興住宅前広場 旧津名郡一宮町の犠牲者数と同じ13の竹灯籠に明かりがともる。在校生2人が犠牲となった一宮中の生徒会役員4人が追悼集会に初参加。生徒会長の櫻井美瑞(みづき)さん(15)は「防災や追悼などの活動に積極的に取り組みたい」。
17・46 長田区・御蔵小学校 ペットボトルに立てたろうそく約2千本を並べた「こうべに灯りを 1・17 in みくら☆」の文字を、児童や地元住民ら約300人が囲み、黙とう。同小4年の豊川叶望(かの)さん(10)は「生まれる前のことだけど、亡くなった人たちや家族の気持ちを想像しながら、目をつむりました」と話した。
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