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熊本地震の被災地で活動するセラピー犬。お年寄りらを笑顔にする=昨年12月3日、熊本県西原村(日本レスキュー協会提供)
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熊本地震の被災地で活動するセラピー犬。お年寄りらを笑顔にする=昨年12月3日、熊本県西原村(日本レスキュー協会提供)

 阪神・淡路大震災を機に発足した兵庫県伊丹市のNPO法人「日本レスキュー協会」が、東日本大震災や熊本地震などの被災地にセラピー犬を派遣し、被災者の長期的な心のケアに力を入れている。当初は災害救助犬の育成や派遣のみだったが、活動の幅を拡大。犬との触れ合いを通じ、被災者に癒やしの効果をもたらしている。(斉藤絵美)

 昨年12月、熊本県西原村の地域福祉センター。デイサービスに通うお年寄り約30人の輪の中に、5匹のセラピー犬がいた。高齢者が「行くよー」と声を掛けてボールを投げると、1匹が見事にキャッチ。愛らしい姿に、お年寄りたちも顔をほころばせた。

 セラピー犬の熊本への派遣はこの時が初めてだったが、計5日間で児童養護施設なども回り、被災者からは再訪を期待する声が相次いだ。

 同法人は阪神・淡路から8カ月後の1995年9月に発足。99年のトルコ北西部地震や2014年の広島土砂災害など計31カ所の被災地や事故現場に、災害救助犬を派遣してきた。現場では、捜索に当たる救助犬を見た被災者から「触りたい」との声が上がり、触れ合った後は笑顔になる人も多かったという。

 こうした動物の癒やし効果を生かそうと、05年から独自のテストなどを設け、セラピー犬の育成も始めた。現地の要望を調べ、被災者らの生活が落ち着き始める災害発生の半年後を目安に派遣。能登半島地震(07年)の仮設住宅への訪問を機に、これまでに計29回送り出してきた。複数回訪問する被災地もあり、東北への派遣は13回に上る。

 現在、同法人にはチワワや柴犬、雑種などのセラピー犬4匹が所属。別の3匹が育成中で、個人所有の約20匹も登録されており、被災地以外にも、高齢者施設や病院などにも有料で年間200回以上訪れる。

 スタッフの今井雅子さん(39)は「仮設住宅などに閉じこもっている人を外に誘い出すきっかけになる。犬を通じ、被災された人同士の交流にもつながる」と指摘。今春にも熊本を再訪する予定で、「被災地からの要望がなくなるまで続けたい」と話す。

【セラピー犬】 触れ合うことにより、病気やけがなどで受けた精神的な痛手や不安を減らし、心と体を癒やす働きがあるとされる。福祉施設や病院などのほか、被災地でも活躍している。

2017/1/19

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