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LSAが24時間常駐する南芦屋浜団地=芦屋市陽光町(撮影・三津山朋彦)
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LSAが24時間常駐する南芦屋浜団地=芦屋市陽光町(撮影・三津山朋彦)

 阪神・淡路大震災の復興住宅で、兵庫県芦屋市陽光町の南芦屋浜団地に常駐し、被災した高齢者や障害者らをサポートする「生活援助員(LSA)」について、芦屋市が2017年度にも廃止に向けた検討を始めることが分かった。24時間常駐型のLSAは兵庫県内唯一で、復興住宅の「先進事例」として注目されたが、市は「震災から22年がたち、すでに役割を終えている」と判断した。

 神戸新聞社が昨年11月に同団地の入居者60人に実施したアンケートでは、75%が継続を求めており、強い反発も予想される。

 南芦屋浜団地は1998年に完成。震災時の「ケア付き仮設住宅」から転入した人が多くいたことから、恒久住宅として全国で初めて365日24時間態勢のLSAが配置された。

 現在は、市から委託を受けた尼崎市の社会福祉法人「きらくえん」の介護福祉士らが、8人体制で団地の集会所に常駐。全約800戸のうち、県営と市営の計230戸の高齢者世話付き住宅(シルバーハウジング)を中心に安否確認や家事援助、地域活動の支援などを担っている。

 しかし、2004年に国が補助金の一部を打ち切りに。県の補助金も段階的に削減され、15年度にはゼロになるなど、財政的な負担が課題となっていた。

 16年度は市が関連予算約2600万円を確保したものの、市高齢介護課は「LSAは徐々に縮小させたい」としており、17年度に策定する「芦屋すこやか長寿プラン21」で一定の方向性を明記するという。

 代替案としては、県が進める「地域サポート型特別養護老人ホーム(特養)」を想定。県から認定された特養が、団地を含む近隣の高齢者を24時間態勢で見守るといい、市は「団地だけに対応する今のLSA態勢は、地域全体で支え合うという介護保険制度と合っていない」と説明する。

 県によると、復興住宅などに配置されたLSAは、15市で計118人。「必要な制度」(川西市)と存続する市がある一方で、神戸市などは「一部の住宅だけに税金を投入するのは不公平という声がある」として、人件費の縮小などを検討している。(前川茂之)

<< 早急に検証必要 兵庫県の復興計画に携わってきた松原一郎・関西大教授(社会福祉)の話 >> 国が進める24時間地域包括ケアのモデルにもなった先駆的な取り組み。システム面の不具合やコストの問題など、なぜ継続できなくなっているのかを早急に検証し、今後の福祉政策に生かしていくべきだ。

【LSA】「ライフ・サポート・アドバイザー」の略称で、高齢者の安否確認や家事援助、緊急時の対応などに従事する。東日本大震災の被災地などでも導入されており、公営の高齢者世話付き住宅などに配置される。ホームヘルパーや介護福祉士の資格を持つ人が多く、平日のみの滞在型や巡回型などがある。

2017/1/12

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