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今年最初の授業は習字。丁寧に筆を運ぶ参加者をスタッフが見守る=神戸市長田区
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今年最初の授業は習字。丁寧に筆を運ぶ参加者をスタッフが見守る=神戸市長田区

 阪神・淡路大震災後、読み書きができないことから生活再建の壁にぶつかった人たちを支えようと、神戸市で発足した「識字教室ひまわりの会」が、20年を迎えた。学校に通えなかった高齢者らが週に1回、仲間とともに字を学び、一歩ずつ世界を広げてきた。「いつまでも通いたい」という願いに応えるように、近年は、震災の前後に生まれた学生も運営を担う。(新開真理)

 会ができたのは震災から1年半余りが過ぎた1996年9月。被災者を支援していた「SVA」(現シャンティ国際ボランティア会)のメンバーが、罹災(りさい)証明や義援金、仮設住宅などの申込書を書くことができず困っている、という声に接したことが原点だった。

 当時、市内の夜間中学校の教員だった桂光子さん(80)らとともに、同市長田区御蔵通にあった通称「ボランティア村」で会を旗揚げ。その後、移転を重ね、現在は長田公民館(同区四番町)で教室を開いている。

 近年は主に70~80代の学習者とスタッフら20~30人が、作文や習字などに取り組む。戦争や震災の体験をつづることもあり、新潟県中越地震や東日本大震災後は、励ましの手紙を書いた。

 「一人じゃ勉強なんかできへん」と語るのは、3年前から通う金田花子さん(76)。病院の書類が書けず、手に包帯を巻き、人に頼んだこともある。「『ひまわり』があったから、字を覚えて、自分に自信ができた。ちょっと、やけどな」と笑顔を見せる。

 そうした熱意を支えてきたのが、桂さんをはじめとする歴代のスタッフだ。さまざまな教材を作り、学習の成果を会報などで紹介。欠席が続けば電話を入れ、遠足に出掛け、つながりを深めてきた。

 10年ほど前からは、神戸親和女子大や神戸大、神戸学院大の学生らも運営に関わる。卒業論文で20年の歩みをたどろうと準備を進める南條雅衣羽(まいは)さん(20)は言う。「初めて知るような、重い話も多い。でも本当に大事なことは何か、ここで教えてもらっています」

2017/1/13

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