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野外にすむ100羽目のコウノトリ(左)。多くの人の支えで身近な存在に戻りつつある=6月19日、豊岡市百合地
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野外にすむ100羽目のコウノトリ(左)。多くの人の支えで身近な存在に戻りつつある=6月19日、豊岡市百合地
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 6月19日、日本の野外で暮らす国の特別天然記念物コウノトリの数が100羽を超えた。一度は空から消えた鳥を人の手で増やし、再び野生に放す「野生復帰」の取り組みが、実を結びつつある。コウノトリが増えることには、どんな意義があるのだろうか。(阿部江利)

 -コウノトリはどんな鳥?

 「日本にすむ中では最大級の鳥だよ。肉食で魚やカエルなどを食べる。見た目はツルに似ているけど、鳴かないなど生態は違う。ロシアや中国にもすむ渡り鳥だけど、昔の日本には渡りをやめて、各地にとどまって繁殖する鳥がいたんだ。乱獲などで数が激減した後も、但馬には最後の野生の群れが残っていたけど、その鳥たちも農薬で餌が減り、体も汚染されて、1971年に絶滅してしまった」

 -今回の100羽って何の数なの?

 「日本のコウノトリが絶滅した後、人が育てて増やした鳥を2005年、兵庫県豊岡市から初めて野外に放したんだ。その後、但馬だけでも昨年までに約40羽を放鳥。07年からは放された鳥たちが人の手を借りずに野外でひなを育て始め、巣立つようになったよ。数が増えると、鳥たちは全国に飛んで行き、ほぼ全国で見られるように。福井や千葉でも放鳥が始まり、17年には徳島で、豊岡周辺以外で初めて繁殖に成功したんだ」

 「でも、野外には電線や野生動物などの危険もいっぱい。放鳥された鳥やその子や孫世代などのうち、死んだり、行方不明になったりした鳥を除き、今も野外で生き抜いている鳥の数が、6月19日に初めて100羽になったんだ」

 -すごいことなんだ。

 「日本のコウノトリが絶滅する前から、兵庫県では『必ず空に帰す』と“約束”し、多くの人が保護や飼育に力を尽くしてきたんだ。野生コウノトリを捕まえて人が飼育し、数を増やす取り組みが始まったのは1965年。初めは捕まえた親鳥がひなをかえせず、全て死んでしまう状況が続いた。そこで旧ソ連から譲り受けた幼鳥の飼育を始めた。待望のひなが誕生するまで20年以上かかったんだ。21世紀に入り、飼育数が100羽を超え、やっと野外に放せるようになった」

 「絶滅した頃は、農薬の影響でコウノトリが食べる生き物も汚染され、数も減ったんだ。放鳥が始まった時には自然や餌が豊富な田んぼを取り戻す試みも本格化し、無農薬や減農薬の米作りも盛んになった。鳥たちがすみやすい湿地作りや、野外で暮らすコウノトリの見守りもずっと続いているんだよ。苦しい道のりを支えた人たちがいたからこそ、身近にコウノトリがいる環境を取り戻せたんだ」

 -今後はどうなるの?

 「コウノトリと人間が一緒に暮らせる地域作りが広がり、昔のように全国各地でコウノトリが繁殖し、海外にも渡るようになれば、絶滅の危険は少なくなるはず。そのためにも各地でかわいがってもらえるよう、コウノトリの存在や保護の意味を、大勢の人に知ってもらう必要があるんだよ」

2017/7/11

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