わかる!ナットク
兵庫県内で神戸市長選が8日から、衆院選が10日から始まった。でも選挙期日を知らせる言葉は、市長選が「告示」、衆院選では「公示」を使っている。なぜだろう。(段 貴則)
-意味が違うの?
「まずは広辞苑で調べてみよう。公示は『公の機関が広く一般に示すこと』。告示は『国家・地方公共団体などが広く一般に向けて行う通知。また、その一形式』とある。要は、どちらも知らせるべき大事な情報を、たくさんの人に伝えるということらしい」
-どう使い分けるの?
「少し難しいけど、憲法7条を見てみよう。天皇陛下が内閣の助言と承認に基づいて行う国事行為を列挙した条文だよ。憲法には『衆議院を解散すること』『国会議員の総選挙の施行を公示すること』などが記されている。ここでの『国会議員の総選挙』は、衆院議員の総選挙と、3年ごとに半数を選ぶ参院議員の通常選挙を指すとされている。この二つの選挙を行うことを、天皇陛下が国民に『公示』すると定めているんだ」
-国会議員を選ぶ場合を公示と覚えればいいんだね。
「実は、そうじゃない。補欠選挙は『告示』を使う。憲法7条には、補欠選挙は含まれていないんだ。衆院補選とか参院補選って聞いたことがあるでしょ。全国一斉に行う衆院選や参院選と違って、衆院議員や参院議員が死亡したり、辞職したりした場合などに、その国会議員がいなくなった地域だけで行う選挙は告示になるんだ」
-ほかに告示を使う場合は?
「選挙の決まり事が書いてある公職選挙法により、都道府県知事選や市長選、市議会議員選挙などは、選挙管理委員会が選挙の期日を『告示』することになっているよ」
2017/10/11