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 夏ごろから、新聞で県や市町の決算の記事をよく目にします。予算は聞くことが多いけれど、決算とは何なのでしょうか。黒字や赤字など、財政が健全かどうかは、どこを見ればいいのでしょうか。(斉藤正志)

 -自治体の決算って何?

 「お金が動けば会計がついて回るよね。決算は、家庭でいえば『家計簿』なんだ。4月~翌年3月の1年間に、税金などのお金がいくら入ってきて、何にいくら使ったかを報告するよ。株式会社に決算が義務付けられているように、自治体もまとめないといけないんだ」

 -予算との違いは?

 「あらかじめ歳入(収入)の額を見積もって、歳出(支出)で使い道を決めておくのが予算だよ。いわば予定表。決算は、法律で議会に認定してもらわないといけないことになっているんだ。行政側から議会に対して示され、予算通りにできたのか、使い方が適正だったのかという議論がされる。完成したものや進められている事業をみて『そんなにお金をかけなくてもよかったのではないか』などの批判が出ることもある」

 「予算は議会に認められないと執行できないのに対して、決算が認定されなかった場合、すぐ行政の運営に支障が出るわけではない。でも、その自治体は『税金を適正に使っていなかった』という大きな不信感を招くことになる。当然、その後の予算編成にも影響が出るだろうね」

 -決算はどう見たらいいの?

 「まずは黒字か、赤字か。単純に歳入の総額から歳出の総額を引いた額は『形式収支』と呼ばれるんだ。ただ、これは正確に黒字か赤字かを表していないよ。例えば家庭でも支払いが遅れて翌月になることがあるよね。こんな場合のように、後で支払いがあるのでとっておかないといけない『翌年度に繰り越すべき財源』を抜かないといけないんだ。それで計算したのが『実質収支』だよ」

 -実質収支が赤字じゃなければ健全なの?

 「ほかに財政指標がたくさんあるよ。例えば、収入に対する借金返済の割合を示す『実質公債費比率』は、18%以上だと、借金をするのに市町村なら都道府県の許可が必要になる。35%以上になると、破産状態の『財政再生団体』になって、財政運営にかなり厳しい制約が加えられるんだ」

 -難しいね。

 「そうだね。でもよく見ておかないと、自治体だって破綻するんだ。会社のようになくなったりはしないけれど、住民サービスに大きな影響が出ることになる。2006年に破綻が表面化した北海道夕張市は、市が出資する第三セクターに過剰な投資をさせるなど、『赤字隠し』をしていたことが原因だったんだ。市民税が高くなったり、ごみ収集が有料化されたり、市民負担が大きくなった」

 「もしそんな事態になれば、行政はもちろん、毎年決算を審議している議会に対しても、なぜ見すごしたのか、見抜けなかったのかという厳しい批判が出ることになる。私たち住民にとっても自分の払った税金がどう使われたか関心を持っておくことが必要だろうね」

 「反対に財政状況がいいのなら、もっと税金を安くしてほしいとか、こんな行政サービスをするべきだという根拠になるね」

 -決算はどこで見ることができるの?

 「自治体がホームページで公開しているよ。総務省のホームページでは、各自治体の『決算カード』を見ることができるんだ。決算カードは全国統一の基準で記入しているので、ほかの自治体と比較しやすいよ。歳入、歳出の状況のほかに、各財政指標も記している。過去のカードも掲載されているので、毎年の数値の変化を見れば、大まかな財政状況が分かるよ。同じくらいの規模の自治体と比べてみるのもいいね」

2017/9/23

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