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新たなガイドラインについて説明するIPCCの李会晟議長(中央)=13日
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新たなガイドラインについて説明するIPCCの李会晟議長(中央)=13日

 地球温暖化に関する最新の研究成果を各国に示してきた、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、今月に京都市で開いた総会で、温暖化の原因となる温室効果ガスを正確に把握する新しいガイドライン(指針)をまとめました。どのようなものなのでしょうか?

 -指針はどのように使われるの。

 「各国が二酸化炭素(CO2)やメタンなどの温室効果ガスをどのくらい出したかを算定する際に使うんだ。温室効果ガスは、石炭や石油といった化石燃料の消費などに伴い排出される。しかし、全ての発電所や工場、車に機器を取り付けて計測することは不可能だよね。だから、各国はIPCCの指針に従って化石燃料の使用量などから排出量を計算し、国連に定期的に報告しているんだ」

 -なぜ新しくする必要があったの?

 「これまでの指針は2006年に策定されたもので、もう10年以上経過している。その後、確認された科学的知見を基にして排出量をより正確に算定できるようになった。また、新たに登場した排出源を考慮する必要も出てきた。実効性のある対策をするには、より正確に排出量を把握しなければならないんだ」

 -総会ではどのように議論したの?

 「IPCCは世界の科学者や政府関係者で構成する組織で、195カ国が参加しているんだ。今回の総会には約360人が集まり、日本からも温暖化に関する専門家や環境省の担当者らが出席した。5日間の会期中、非公開で専門的な議論を深めて、最終的に2千ページを超える指針をまとめた。エネルギー、工業プロセスと製品の利用、農林業と土地利用、廃棄物の各分野で、細かい計算方法を定めている」

 -具体的にはどんな指針になったの?

 「石炭や石油、天然ガスの採掘、貯蔵、輸送の過程で漏れ出すCO2やメタンの放出量の推計方法を見直した。水の管理の仕方で変わる水田からのメタンの放出量や、家畜の飼育に伴う排出量も、より正確に計算できるように改定した。廃棄物を埋め立てた際に生じるメタンの算定方法も修正したんだ」

 -新たに追加した項目とは?

 「燃料電池に使われる水素の製造や、レアアース(希土類)から金属製品を作る過程で生じる排出量の計算方法を加えたんだ。また、各国の算定結果の検証に、人工衛星の観測データが有用だとの指摘も盛り込まれた」

 -新指針はすぐに使われるの?

 「今年12月に開かれる国連気候変動枠組み条約の会議で、この指針を使うことに各国が同意する必要があるんだよ。昨年12月の会議では、発展途上国も含む全ての国が排出削減に取り組む「パリ協定」の実施ルールが採択され、来年からはいよいよ温暖化防止に向けた新たな国際協定が本格的に始動する。効果的な削減対策を進めるには正確な排出量を知ることが不可欠で、新指針の活用が期待されるね」

2019/5/23

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