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インフルエンザの流行期に入り、街の中でもマスク姿の人たちが目立つ=神戸市中央区三宮町1
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インフルエンザの流行期に入り、街の中でもマスク姿の人たちが目立つ=神戸市中央区三宮町1

 1週間に報告された患者数が警報レベルを超え、全国で猛威を振るうインフルエンザ。小学校では学級閉鎖が相次ぎ、街中でマスクを着用する人の姿も増えた。21日には兵庫県淡路市の養護老人ホームで、入所者と職員74人が発症し死者も出る集団感染が発覚。県は施設側に未発症の入所者への予防投薬を助言したが、実施したのは8日後だったという。そもそも、予防投薬って何? (篠原拓真)

 -予防接種で防げないの?

 「インフルエンザ予防には、ワクチンを接種することが第一といわれる。ワクチンを打つとウイルスへの抗体を体内に作るが、完全に発症を防ぐことはできないんだ。重症化を防ぐことが一番の目的。特に高齢者や小さい子どもは肺炎や脳症など重症化する危険性があるため、事前接種が推奨されている」

 -予防投薬はどうやってするの?

 「インフルエンザの治療で使う経口薬のタミフルや吸引薬のリレンザ、イナビルを使用する。本来は感染後に使用するが、事前に服用することで感染してもウイルスの転移を抑えて増殖しにくくなり、発症を防ぐ可能性が高くなるんだ。病院や高齢者施設などでは多くの高齢者がおり交流する機会も多い。ウイルス感染者が出た際は入院患者や入所者、職員などに薬を予防投与し、拡大しないようにすることが重要なんだ」

 -いつ服用したらいい?

 「日本感染症学会が2012年にインフルエンザ感染対策についてまとめた提言や、兵庫医科大学病院感染制御部の中嶋一彦医師(49)によると、タミフルとリレンザはともに1日1回を7~10日間、イナビルは1日1回を1~2日間投与するという。発症を抑える効果は70~80%程度。学会は早期の投与を推奨し、可能であれば最初の患者発症から12~24時間以内にすべきと提唱している。その効果はタミフルとリレンザは投与期間中、イナビルは10日ほど持続するとされる。薬を投与しても発症する可能性は残るため、引き続き注意は必要だ」

 -誰でもできるの?

 「原則として同居する家族がインフルエンザに感染しており、重症化しやすい高齢者▽慢性の呼吸器疾患がある▽心不全など慢性の心疾患がある▽腎機能に慢性的な障害がある-などが対象だ。病院などでは院内へのウイルスの持ち込みを防いだり、入院患者からの感染を防止したりするため、職員や医師、看護師にも投与することがある」

 「ちなみに保険適用されないため、費用は全額自費負担。中嶋医師は『費用負担や薬の副作用を考えると、疾患などがない健康な人は予防投薬ではなく、発症してから抗インフルエンザ薬を使用することを考えて』と指摘している」

 -予防投薬以外に感染を防ぐ方法は?

 「インフルエンザは咳(せき)やくしゃみによる飛まつ感染や接触感染で広がっていく。手洗いやうがいの徹底とともに、他の人にうつさないようマスクの着用も必要だ。また、熱が出ていなくても感染していることもある。体調が良くない時は人混みを避けることも大切。休養と栄養をしっかり取って、免疫力が落ちないように気を付けよう」

2019/1/24