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 1日に改正刑事訴訟法が施行されました。これにより一部の事件を対象に、容疑者を取り調べている様子を全て録音・録画(可視化)することが義務となりました。なぜ改正され、どのようになるのでしょうか?

 -そもそもなぜ可視化が必要なのですか。

 「密室での取り調べの中で警察官や検察官から脅されたり、誘導されたりして自白してしまう恐れが指摘され、実際に冤罪(えんざい)事件も起きました。カメラで撮影して記録に残しておけば、後でその映像を見て、取り調べに問題がなかったかどうかをチェックできるからです」

 -これまでやっていなかったのですか。

 「短期間で分かりやすい審理が求められる裁判員制度では、自白の任意性・信用性を巡って延々と議論していることはできません。検察は裁判員制度スタート前の2006年から殺人などの重大事件の一部過程で、警察も08年から部分的に可視化を始めました。その後、可視化の対象を拡大しています」

 -義務化に至るまでにどのような経緯があったのでしょうか?

 「きっかけになったのは、10年9月に発覚した大阪地検特捜部の証拠改ざん隠蔽(いんぺい)事件でした。検察の信頼は大きく失墜し、有識者らをメンバーに入れた法務大臣の私的諮問機関『検察の在り方検討会議』が設置され、可視化の範囲拡大を柱とする提言が出されました。これが今回の法改正へとつながったんです」

 -可視化の対象となるのはどのような事件ですか?

 「裁判員裁判で審理される事件と、東京地検特捜部が手掛けるような検察による独自捜査事件です。全ての事件の3%程度と言われています。ただ、逮捕される前の任意段階や、参考人の聴取は対象になっておらず、冤罪防止には不十分との声もあります」

 -法改正は可視化に関してだけですか。

 「他人の犯罪解明に協力した人物の刑事処分を軽くする司法取引も盛り込まれていて、こちらは昨年6月に施行されました。可視化で供述が得にくくなると、捜査側が導入を強く求めていたもので、前日産自動車会長カルロス・ゴーン被告の金融商品取引法違反事件に適用されたことは大きく報道されましたね」

 -他にはどのような改正が?

 「通信事業者の立ち会いを不要とする通信傍受法の改正部分も今月1日に施行されました。傍受件数の大幅な増加が見込まれます。検察の不祥事を契機にした一連の法改正ですが『焼け太り』との批判もあります」

2019/6/4

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