わかる!ナットク
北陸地方は6日、記録的な大雪に見舞われ、福井県では国道で車約1500台が立ち往生した。男性が雪に埋もれた車中で亡くなり、排ガスが車内に流入したことによる一酸化炭素中毒が原因とみられている。豪雪地域の住民はもちろん、スキーなどのレジャーで出掛けた際、雪で車の身動きが取れなくなったらどうすればいいのだろう? 日本自動車連盟(JAF)などはウェブサイトで対処法や事前準備を紹介している。(井沢泰斗)
-どのような準備が必要だろう。
「まず、気象情報で大雪などが予想されるときは、車で出掛けるのはできるだけ避けよう。車を使わなくてはならないときは、万一の場合に備えて防寒着や長靴、手袋、スコップなどを車内に常備しておくのがおすすめ。長時間閉じ込められるような事態も想定し、飲料水や非常食を準備しておくことも考えて。ガソリンや軽油は必ず満タンにしておくのを忘れずに」
-運転中に吹雪に襲われたらどうしよう。
「危険を感じたら、最寄りのガソリンスタンドや道の駅、コンビニなどへ避難し、天候の回復を待とう。視界が良くなっても、路上に吹きだまりができている可能性もあるので慎重に運転しよう」
-避難場所が見つからなかったら?
「強風で地表の雪が舞い上がり、周囲が見えなくなる『ホワイトアウト』に遭遇すると危険だ。前後左右や上下の感覚も失われるので、走行を続けてはいけない。ハザードランプを点灯させるなど、周囲に車の位置が分かるようにして停車しよう」
-積雪で車の身動きが取れなくなったら、どうすればいい?
「すぐに道路緊急ダイヤル(#9910)やJAFの救援ダイヤル(#8139)、場合によっては警察に通報して助けを求めよう。吹雪の中で車を止めると数分程度で雪に覆われてしまう。いつでも脱出できるよう、風下側のドアが開くかどうかを時折チェックしながら助けを待とう」
-車で待機中に注意すべきことは。
「雪でマフラーの排気口がふさがれると、排ガスが室内に流入し、一酸化炭素中毒になる恐れがある。車に備わっている排ガス浄化装置の触媒は、内部温度が一定以上に上昇しないと機能しない。一酸化炭素は無臭で発生に気付きにくく、気温が低い中でアイドリングを続けるのは危険。排気口の雪を取り除いておく必要がある」
-車体が完全に雪に覆われてしまったら。
「エンジンを停止してしまおう。実は、雪に覆われることで外気の影響を受けにくくなり、車内の温度はそれほど低下しないんだ。ただ、酸素が不足する恐れがあるので、風下側の窓は1センチ程度開けてまめに換気しておこう。こうした状況に備えて、暖を取るための毛布などを常備しておく必要があるね」
2018/2/7