連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

わかる!ナットク

  • 印刷
兵庫県議会の本会議場。16日からの定例議会では約1カ月間にわたり、知事の予算案の提案説明や、議員側の質問などが繰り広げられる
拡大
兵庫県議会の本会議場。16日からの定例議会では約1カ月間にわたり、知事の予算案の提案説明や、議員側の質問などが繰り広げられる

 兵庫県や県内の各市町が2018年度の当初予算案を発表する時期になった。春からの1年間、自分が住むまちの行政がどんな住民サービスを行い、税金がどう使われるのかが示される大事な機会だが、予算案には専門用語も多く、住民にとっては分かりにくい。自分たちでチェックする意味ってあるの? どんな点を見ればいい? 記者の視点で答えます。(黒田勝俊)

 -予算案は誰が作るの?

 「住民に選ばれた首長(知事や市町長)が案を作った後、これから2~3月に開かれる議会で、もう一方の住民代表である議員が議論したり、チェックしたりする。議会に提案する段階で報道機関にも発表される。予算の編成権は首長にあるが、決定権は議会にあり、修正もできるんだ。議会が『これでよし』と可決して初めて、『案』が取れて執行できる状態になる」

 -じゃあ議会の審議で内容が変わることもあるの?

 「予算案への賛否は、同じ考えや政党の議員でつくる『会派』で意見を統一する場合が多い。例えば一部の会派が反対する事業などを挙げた上で、首長側に予算案を作り直すよう求める『組み替え動議』を出すこともある。ただ多数決で、首長側の原案が了承されるケースがほとんどだけど」

 -だったら議会が審議する意味がないのでは?

 「うーん。一概に『原案通り可決するのは悪い』ともいえない。西宮市では15、16年度と2年連続で当初予算案が議会に修正され、市長側が減額を提案した高齢者の交通費助成金が現状維持に変更されたり、観光の目玉イベントが削られたりした」

 「一番大事なのは議論の中身。どの事業も、税金から支払われている。例えば、いくら自分や家族が欲しいからといっても、給料に見合わない洋服やアクセサリーを買うと、大変なことになるよね。近くの公園がきれいに整備されたり、大きい施設ができたりしたらうれしいけど、今、本当に必要なのかって、冷静に考えないと。自治体の財政状況が悪くなると、それまでやっていた行政サービスや補助金を続けられなくなる。行政の最も大切な機能の一つは、住民や企業などから集めた税金の分配をどうするか。自分たちが払った税金がどう使われているのかをみるべきなんだ」

 -専門知識がなければ聞いても難しそうだし、仕事や家事で議会まで傍聴にも行けない。

 「インターネットで議会の中継や録画放送もあるよ。少し時間差はあるが、議事録も公開されている。それぞれの議員がどんな発言をしているか、していないのかを知るだけでも意味がある。予算を作る首長も、チェックする議員も、選ぶのはわれわれ住民だからね。来年は統一地方選もあるし」

 -新聞の予算記事は、どんなところを見ればいいの?

 「例えば予算の規模と一緒に、前年度比の割合が書いてある。減っていれば、財政難で支出を抑えたのか、借金返済が減ったからか、大型事業が終わったからなのか。収入はどんなことを見込んでいるのか。また、記者たちは『この首長は、選挙の時にこんなことを訴えて当選したはずなのに、なぜ方針を変えたのか』といったことにも注目している。事業からはまちが抱える課題や、首長がどんなまちを目指しているのかを読み取ることができる」

 -今年は少し念入りに記事を読んでみようかな。

 「この時期の議会と行政当局の議論は本来、まちの課題が凝縮されているはずなんだ。少しでも仕組みが分かれば、日頃の行政記事や毎年の予算記事の見方も変わってくるはずだよ。そうした住民の目が行政や議会に影響を与え、ひいては予算の使い方にも影響してくるんだ」

2018/2/9

天気(10月16日)

  • 23℃
  • 15℃
  • 10%

  • 20℃
  • 12℃
  • 10%

  • 24℃
  • 13℃
  • 0%

  • 23℃
  • 12℃
  • 10%

お知らせ