連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

わかる!ナットク

  • 印刷
神戸新聞NEXT
拡大
神戸新聞NEXT
神戸新聞NEXT
拡大
神戸新聞NEXT

 大手が店舗を売却・閉鎖したり、地方の老舗が閉店に追い込まれたりと、長く苦境が続く百貨店。セブン&アイ・ホールディングス(HD)傘下のそごう・西武や、三越伊勢丹ホールディングスが、不採算店の閉鎖を進めるなど、厳しさは増すばかりです。百貨店を取り巻く環境はどのように変化してきたのか。再編の歴史とともに振り返ります。(井上太郎)

 -そもそも百貨店って?

 「衣料品から食料品、家具まで多くの商品(百貨)を販売する大型店のことだよ。世界で最初の百貨店とされるのは、1852年に創業したフランス・パリのボン・マルシェ百貨店。産業革命を背景に多彩な分野の商品を大量陳列した上で、値札を付けて誰でも商品を手に取って同じ値段で買えるようにした。今では当たり前の光景だけど、当時は画期的だったんだ」

 -国内百貨店の起源は?

 「三越呉服店が1904(明治37)年に『デパートメント・ストア宣言』をしたのが始まりとされているよ。日本の百貨店は、三越や高島屋、大丸などの呉服店系列と、ターミナル立地を生かして参入した阪急、阪神などの私鉄系列に大別できる」

 -店舗や売上高は増えているの?

 「高度経済成長やバブル経済の時代は右肩上がりで伸びた。75年に店舗数が238店、売上高が4兆円強だったのがピーク時には311店(99年)、9兆7千億円(91年)まで増えたんだ。でもその後は低迷が続く。2016年には234店に減り、売上高も36年ぶりに6兆円を割り込んだ」

 -なぜ減っているの?

 「バブル崩壊後の長期不況に、少子高齢化などもあり、人々が買い物にお金をかけなくなった。そんな中で、大量出店するショッピングセンターや大型専門店、インターネット通販などとの競争が激化した」

 -各社はどんな対応を?

 「大手が経営統合を進め、J・フロントリテイリング、エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングなどが誕生した。事業規模を拡大すれば基幹店の改装など大型投資が可能になるし、共同仕入れなどで効率化もできるからね。2000年にそごう(現そごう・西武)が経営破綻したときは独立経営だった大手9社が今では、単独経営を続ける高島屋も含めて、5グループに集約された」

 -経営統合は成功した?

 「統合4グループの持ち株会社の16年度決算は、そごう・西武を傘下に持つセブン&アイ・HDと三越伊勢丹HDが、いずれも最終利益を前年度より4割近く減らしたよ。そごう・西武と三越伊勢丹HDの社長は、経営責任を明確にするため退任したんだ」

 「両社は不採算店舗の閉鎖や売却を進める。そごう・西武は、昨年2月末に24あった店舗が、来年3月には15になるよ。その一環で、そごう神戸店がH2Oに譲渡されたんだ。一方で、J・フロントとH2Oは、16年度決算の最終利益が微増だった」

 -地方百貨店の状況は?

 「都市部より人口減少が進む地方の百貨店はさらに深刻なんだ。1891年創業の老舗、丸正(まるしょう)(和歌山市)や、1937年創業の松菱(まつびし)(浜松市)などが姿を消し、兵庫県内ではヤマトヤシキ(姫路市)が投資ファンドなどの支援で経営再建を進めているよ」

 -今後の取り組みは?

 「訪日外国人観光客の増加で、免税売上高が伸びている。J・フロントなどが今春、松坂屋銀座店跡(東京)に開業した複合型商業施設『GINZA SIX(ギンザ シックス)』は、高級宝飾や日本の伝統工芸品の店を集め、外国人の集客に力を入れているよ」

 「12年に建て替えを終えたH2Oの阪急百貨店梅田本店は、新設した4層吹き抜けのイベント広場をフル活用。300人が座ってくつろげる階段式スペースも生かして、各国の食や文化などをテーマに週替わりで行う催しが人気なんだ。百貨店には、非日常的な空間で、ゆったりと楽しめる工夫も求められているんだね」

2017/10/13

天気(10月20日)

  • 25℃
  • ---℃
  • 10%

  • 21℃
  • ---℃
  • 20%

  • 25℃
  • ---℃
  • 0%

  • 25℃
  • ---℃
  • 10%

お知らせ