連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

わかる!ナットク

  • 印刷
神戸新聞NEXT
拡大
神戸新聞NEXT
神戸新聞NEXT
拡大
神戸新聞NEXT

 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、財務省が決裁後の公文書を改ざんしていた不祥事は「前代未聞」とも言われる。どこが問題なのか。地元自治体などの例も見ながら考えてみよう。(田中陽一、段 貴則)

 -そもそも公文書って?

 「基本的には国や地方自治体など行政機関の職員が職務上作成し、組織で共有し、保管する文書とされる。国の文書を対象にした公文書管理法では『健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源』とも表現している」

 -なぜ公文書が「知的資源」なの?

 「行政機関の活動や意思決定過程が分かるからなんだ。例えば地元自治体が新しい公共施設を建てたり、福祉サービスの一部を廃止したりしたとする。なぜ必要なのか、その決定に至った経緯が分かれば、住民や納税者の立場で妥当性を検証できるよね。でも、文書が改ざんされていたら正しく判断できない」

 -事実が永久に隠されてしまうんだね。

 「そうなんだ。公文書には真実が書かれているというのが大前提。官僚たちが自分や組織の都合で書き換えたり、隠したりすることは国民を欺く行為。民主主義で不可欠な『知る権利』を脅かすことになる」

 -公文書を巡る不祥事は過去にもあったの?

 「最近では陸上自衛隊による南スーダン国連平和維持活動の日報隠蔽(いんぺい)が問題になった。実際には保管していたのに『廃棄した』として隠していた。1996年には旧厚生省が『ない』と説明していたエイズ研究に関する文書が庁内の書庫から見つかったことも。いずれの文書も国側にとって都合の悪い内容が含まれ、厳しく批判された」

 -個人的に作られたメモも公文書なの?

 「一般的には、会議内容などを備忘録として書き残した程度なら該当しないとされるけど、職場内で回覧するなどして共有していれば公文書。政治家や住民からの要望、それへの対応を記録した書面も通常、公文書になる」

 -具体的にはどうやって作るの?

 「行政機関によって違いはあるけど、神戸市の場合、『電子決裁システム』を使ってパソコンで作る。いつ、だれが作成したかも記録され、上司の決裁が終われば電子データとして保管されるよ」

 -書き換えは可能?

 「神戸市の担当者に聞くと、決裁後でも課長以上なら修正できるけど、変更できるのは『日付と曜日のずれ』や『てにをは』など軽微なもの。その場合も必ず更新した記録が残る。通常は訂正用の文書を新たに作って決裁を仰ぐ」

 -保存期間は?

 「機関ごとに文書の重要度に応じて決められている。神戸市では30年、10年、5年、3年、1年、1年未満の6種類に分けて保管されている。ちなみに、公有財産の取得や処分に関するものは30年、陳情や要望に関する重要な公文書は10年。1年未満は『月間予定表』などごく一部しかない」

 -公文書を見るには?

 「情報公開制度がある。国や地方自治体の請求窓口で見たい文書を申し込めば、閲覧したりコピーを入手したりできる。ただ実際の公開までには一定の時間がかかるね」

 -全ての文書が対象?

 「公文書は行政機関だけでなく、本来は国民のもの。個人が識別されたり、個人や法人の利益が侵害されたりするようなケースを除き、原則として公開されなければならない。そもそも該当の文書がない『文書不存在』の場合もあるけれど、兵庫県や神戸市の近年の実績を見ると、部分公開も含め9割以上は開示されている。非公開などに対する不服申し立ての制度もあり、行政側の判断が覆ることもあるよ」

 -改ざんは犯罪なの?

 「作成した本人や決裁した上司が書き換えた場合は虚偽有印公文書作成罪、作成権限のない人が書き換えた場合は有印公文書偽造罪が考えられる。罰則はいずれも懲役1年~10年。今回の問題が刑事責任に問えるかどうかは、検察が詳しく調べることになる」

2018/3/27

天気(10月23日)

  • 25℃
  • ---℃
  • 10%

  • 23℃
  • ---℃
  • 10%

  • 25℃
  • ---℃
  • 10%

  • 25℃
  • ---℃
  • 10%

お知らせ