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奇岩が並ぶ但馬御火浦(みほのうら)=兵庫県新温泉町三尾
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柱状節理が美しい「玄武洞」=豊岡市赤石
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柱状節理が美しい「玄武洞」=豊岡市赤石
神戸新聞NEXT
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 兵庫、京都、鳥取の3府県にまたがる「山陰海岸ジオパーク」。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界ジオパーク」に認定され、4年に1度の再認定審査が兵庫でも始まります。昨年8月の事前審査に当たる「日本ジオパーク」の再認定審査では、サッカーで警告を意味する“イエローカード”と報道されました。どこが課題なのでしょう。(阿部江利)

 -ジオパークって?

 「ヨーロッパで20世紀末、地質学者らが提唱し生まれた概念。地震や津波、火山活動など、地球の動きや災害の記憶を伝える地形・景観を守り、将来の世代に残そうという世界的な取り組みだよ。ジオパークに選ばれるということは、単なる『地質公園』をつくるのではなく、取り組みに参加し、『地域をより良くする努力を続ける』と表明することでもあるんだ」

 「最近では『長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産』の登録でも話題になった『世界遺産』って聞いたことがあるかな。ユネスコは、ジオパークを世界遺産と並ぶ正式プログラムにしている。世界遺産は遺産や自然、景観の保護が目的だけど、ジオパークは地質や地形を『国際的に価値がある』と認め、遺産を活用した収益力アップによって地域を活性化し、後世に地質を伝えてもらうのが目的。日本版の『日本ジオパーク』は現在43カ所にあり、うち山陰海岸をはじめ9カ所が『世界-』にも認定されているんだ」

 -山陰海岸の特徴は?

 「日本列島が大陸から離れ、日本海ができる時の地球の働きが、各地の景観に記録されていること。町並みや文化といった人の営みも、大地の成り立ちに影響を受けてきた。そんな景観や文化を『観光振興の起爆剤に』との期待が高まる中、2008年、他の6地域と同時に日本に初認定された。世界に初認定されたのは10年。日本、世界とも初の再認定には合格したけれど、17年8月にあった日本の再審査で条件付き再認定とされてしまった」

 -再認定って難しいのかな。

 「ジオパークは、『地質を生かして、地域をより良くしよう』と努力し続けることが求められる。だから認定された後も、4年に1回、審査で合格しないといけない。審査で大きな課題が見つかると、改善を求める『条件付き再認定』や『取り消し』になってしまう。関係者は条件付き再認定をイエローカード、取り消しは退場を指すレッドカードに例えている。ジオパークの数が増え、審査も厳しくなっているんだ」

 -何がいけなかったの?

 「審査結果の報告書によると、住民らが地域のために活発に活動していることや、海や景観を生かしたアウトドア活動が盛んなことなどは評価されている。一方で、『ジオパーク全体での連携を欠く』『ジオパークを地域としてどう生かしたいのかの対話がない』と指摘され、3府県をまたぐ運営組織の体制改善などが求められた。各地で活動は盛り上がっているけれど、地域全体をどうしたいのかが見えない、と言われてしまったんだ」

 -どうすればいいの?

 「同じ事態は国内外のジオパークでも相次いでいて、どこも同じように悩んでいる。『世界-』の再認定審査で指摘されそうな課題への“事前通告”だという声もある。事務局となる兵庫県などは運営体制を改善するほか、3府県を巡って住民同士が意見を交わす討論会も開いた。今回の再審査が正念場になるけれど、この審査をきっかけに、地元の人々が長い目で地域を見つめ直し、『ジオパークを生かして地域や生活をどうしたいのか』ということについて考える好機になればいいね」

2018/8/8

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