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国税庁は2日、路線価を発表しました。土地の価格に関する公的な指標については毎年、ほかに「公示地価」「基準地価」が発表されますが、これらとは何が違うのでしょう。(竹本拓也)
-路線価って、いったい何?
「土地の所有者がその土地を誰かに贈与したり、相続したりするときには、税金がかかるよね。その税金の金額を計算する基準になるのが路線価なんだ。主要な道路に面した土地1平方メートル当たりの評価額で、住宅地だけでなく商業地も含まれる」
-どうやって算出するの?
「国土交通省があらかじめ定めた地点(標準地)を対象に、毎年1月1日時点の1平方メートル当たりの価格を判定するのが『公示地価』で、例年3月下旬に発表される。この公示地価や土地が実際に売買された実績、不動産鑑定士による鑑定評価などを参考にしながら算出している。路線価はたくさんの人に影響することもあって、公示地価の10倍以上の地点が調べられているのも特徴だね」
-路線価と公示地価に差はあるの。
「同じ場所で比較すると、路線価は公示地価の8割程度とされているよ」
-もう一つの基準地価は?
「都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を調べて、9月下旬に発表する。一般の土地取引や、土地を所有していることでかかる固定資産税を評価する目安にされる」
-一つにできないの?
「それぞれ多額の経費がかかっているから、一本化すべきだという声もある。ただ、それぞれ役割が違うこともあって、まとめようという動きには至っていないね」
-土地の価格が下落すると、あまりよくないことのように取り上げられるよね。
「たくさんの土地を持ち続ける人にとっては、路線価が低いと相続や贈与の際にメリットがあるかもしれない。ただ、土地の価格が上がるときは、景気も上向きであることが多い。路線価の下落は、土地に対する担保価値などが下がったり、資産価値が低下したりととらえられ、地域経済が停滞することも考えられる。路線価が上昇している土地の所有者は『相続税などは負担だけど、それ以上に高く売れるのならいい』と考える人が多いのかもしれないね」
-なるほど。路線価は地域の活力のバロメーターなんだね。
2018/7/3